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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1989/2709

1989 前に進むためのXの問い編 362

「こっちはまだましだけど、冷房とか無いからね。物は冷たいじゃん」


「それはわかるけど」


 確かにこちらの世界にはエアコンなんて言う文明の利器はない。この世界にも四季はある。LROはそれこそリアルよりも戦慄的になってる。春はリアルよりも春らしいし、夏もリアルよりも夏らしい。秋も冬もそうだ。


 春なら花々が歌いだしたりさ、それこそ桜がめっちゃ印象的に散るとかね。夏なら暑さが限界を突破する……なんてのは流石に普通に暮らしてる街の方ではない。LROはそれこそ遠出すれば、砂漠とかあるし、暑さとかはそっちで求められるからね。


 じゃあ何が夏らしいかといえば、雰囲気? ひまわり畑とかに行けば、それこそ絵画とかでしか観たこと無いような風景を観られたり、地域によっては風鈴の音が合唱してたりする。それに空は入道雲いっぱいだ。


 それにこの世界ではそのでっかい雲からでっかい魔物が出たり……ね。それこそこの時期になると、ドラゴンを観た……みたいな情報が街の近くでも聞こえるようになる。研究者たちの間ではでっかい入道雲はドラゴンの住処なんでじゃないかって言ってる人もいるとか居ないとか。でもそれなら……


(夏以外はどうしてるんだろう?)


 ――って問題があるけどね。どこかに空中に浮かぶ島があって、そこがドラゴンの楽園なんだっておとぎ話はこの世界にはずっと昔からあったりもする。実際それを探してるプレイヤーもいるからね。各地にそういう文献はたくさんあって、つまりはそれってヒントだと思ってるんだ。実際そうなんだろう。今回の妖精の里もそうだよ。


 妖精の話は各地でそれこそ語り継がれてる。でも誰もその本質にまでたどり着いてはいない。実際はたどり着いてる人は居たかもしれないが、契約なのか、それともその人の使命感なのかなんなのか、とにかく外には漏らさなかったんだろう。


 だから、今でも妖精はこの世界で不思議な存在だ。実際あんなに可愛かったら……ね。


(観賞用とかで乱獲されたりしそうだもんね)


 可愛い女の子の容姿できれいな羽を持つ妖精はそれこそ愛でてるだけで癒される存在だった。まあちょっとうるさかったが……でもあれはリアルにある美少女フィギュアが動いてるようなものだよ。


 公然と妖精みたいな種族が認識されてたらどうなるか……きっと愛玩用として狙われると思う。実際彼女たちの力がどんなものなのかはわかんない。全然強いのかもしれない。でもそうは見えなかったよね。


 そうなるとあの愛らしさである……絶対に悪いやつに狙われる。だから隠れてる……のかは分かんないが……とりあえずグデーンとしてるメカブちゃんからもっと話聞きたい。


「妖精の話って何? 全部教えてよメカブちゃん」


「観たんだよね?」


「うん」


「じゃ私もいく」


「へ?」


 今なんて? メカブちゃんがここから動く? それって明日雪になるんじゃない?

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