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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1987/2701

1987 前に進むためのXの問い編 360

「ねえ妖精さん? ちょっと私の話、聞いてくれないかな?」


「何?」


「えっと私たちに資格が足りないって言ったよね?」


「うん! そうそう、資格って言ったらね−−」


「ちょっと待って!」


 私は妖精が始めようとした脱線する話を堰き止める。この妖精はどこか一つのワードに反応して、そのほかはすっぽりと抜けるという特性を持ってる。その一つのワードが私達が質問してる部分に的確に反応してくれたらいいんだけど、その確率はとても低い。今のところ、一回しか反応してくれてないからね。だからこうやって止めたわけだけど……


「なになになに!! 聞いて聞いて聞いて聞いて聴いて聞いて!!」


 妖精はヒステリーを起こしてジタバタしてる。この妖精がこういう性格なのか、それとも妖精は全部こんなものなのかわかんないが……これで容姿が超絶可愛くなかったらキレてるところである。


 まあ自分の話を聞いてほしい……ってのは女の子なら誰にでもあると思うけどね。妖精はその体の小ささからも子供のように無邪気なんだろう。つまりは下手に彼女たちの言葉を遮るとこうやって癇癪を起こす。だから誘導が必要なのだ。


 でも……


(私にはそんなスキルはないよ)


 会話術……とかあったかな? あったかもしれない。けど持ってないし、リアルでも私は会話する時に駆け引きなんてしてない。実際女同士なら派閥とか色々とあって、女子の方が集団を重視するから、殺伐としてるってのは実際ある。


 男子は拳をぶつけ合えばその後に後腐れなく付き合うことができるのかもしれないが、女子はそんな正面からぶつかる……なんてことがそもそもがない。大体舌戦だし、面と向かって……というよりは遠回しに嫌味をいうってのが普通だ。


 でもそれもあんまり私はやられてない。そもそも今の学校は日鞠ちゃんの活躍でいじめとかそんなのほぼないし……スオウ以外には……今は私が生徒会長だけど、みんな至らない私を支えようとしてくれる。


 スピーチをするときは草案を出してくれるし、やらないといけないことは事前に全て教えてくれるという待遇である。他の学校の人と会話するときも、シュミレーションをしてくれるし……原稿まであるときも……勿論仕事以外で話す時はあるが、みんな優しい。


 本当にね。だから気兼ねなく話すだけ……これで話術が磨かれるだろうか? そんなわけない。いや、みんなが優しいことに不満なんてないんだけどね。けどそんな私ではこの妖精のご機嫌をとりつつ、私たちの欲しい情報に誘導する……なんて高度なことは難しいよ。


 私もそして、もう一人の女性も癇癪起こしてる妖精にオロオロとするしかない。そんなことを思ってると、妖精は「ふん!」と言って目の前から消えた。


「え?」


「きえっ……」


 どうやら私たちは試練に失敗したらしい。この日はそのまま解散になったよ。一応今回のメンバーとはフレンド登録を行なった。確かに今回は失敗したけど、まだ諦めてはいないからね。

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