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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1986/2710

1986 前に進む為のXの問い編 359

妖精に話しかけるってことをあんまりしてなかったのには理由があった。それは単純にこの妖精、五月蝿い。ずっとなんかどうでもいいことを喋るからね。本当にどうでもいいことだ。


 大体森の何が美味しかったとか、昨日のご飯に不満を言ったり、近所付き合いがぁ……とかね。そして誰それの恋バナとか……はっきり言って、こいつは一人でも永遠に喋り続けることができるのでは? って思うほどにはうるさい。


 女の子はおしゃべりだと大体の人は思ってそうだが、流石にこの子ほどではない。普通は一息つくって動作があるじゃん。どうやら妖精には肺がないらしい。じゃないと説明できない。


 だってずっと弾丸トークしてるもん。そんなに息が持つわけない。でも妖精は止まらないからね。


「ヒント? それよりも聞いてよ!! 隣向こうの奴がね−−」


 この妖精、自分のことは喋るのに、私の話は聞いてくれない。いや一瞬、関心を向けるけど、なんかすぐに自分のことに向けられる。妖精は頭が弱いみたい……メモしとこう。


 最初に資格がない−−とか呟いてくれたことはどうやらかなり運が良かったらしい。


「この妖精、すごいな……」


「いや、ある意味でこのお喋りの中にヒントがあるんじゃないか?」


「うーん、ただの世間話のような?」


「話題が次々変わってるしな」


「てかさっきの話どうなった? ってのが多い」


「女子、五人分の会話を一人でやってるかのようだな」


 パーティーメンバーでそんなことを言い合う。てか私たち女性陣はちょっと胸が痛いというか……女子だから話題が次々と変わるのもわかるし、いきなり話題が変わるのも心当たりあるよね。


 別に答えを求めて話してるわけじゃないんだよ女の子は。ただ共感してくれたらいいのだ。そして吐き出したい。女の子はお喋りでストレスを吐き出し栄養も摂ってるのだよ。男性陣はもっとそこら辺をちゃんと理解した方がいい。


 今回の男性陣はLROのパーティメンバーとしてはとても優秀だ。それは間違いない。めっちゃ安心感あるし。戦闘で不安を覚えたことは今日は無いもん。でもどうやらみんなモテないね。


 女心がわかってない。そもそもこんな小さな妖精に気後れしてる。まあ彼女が喋り続けてるせいだけどね。でもそこでうまく相槌を打って話を聞いて適度に加わってくれる男性がモテるのだ。


 それをさりげなくやって、この妖精からも情報を引き出せたら感心できるんだけどね。さりげなく口を挟むことで彼女の喋ってる方向を誘導していってさ…… まあ私にもできないことをやれって言ってるのは酷だとは思う。


 てかもう男性陣は妖精の相手を私たちに任せようとしてる。戦闘では頼り甲斐あるが、おしゃべりに関しては頼りない。しょうがないから女性陣でこの妖精をコントロールするしか無いようだ。


(さて、どうぞ)


 と私はもう一人のメンバーの女性に視線を投げた。当然、「いえいえどうぞ」と視線だけて帰ってきた。私たちは互いに譲り合いを始めるよ。

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