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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1981/2701

1981 前に進む為のXの問い編 354

ふわふわとした光が動いた−−ような気がする。さっきも見たけど、今度はよりはっきりとしてた。もしかしたらそういう敵って可能性もある。だから武器を抜いて……と思ったらなんか光が消えた。


「あれ?」


「どうしたの?」


「いえ、さっき妖精……かはわかりませんけど、光が動いてたんです」


「ここならエレメンタルって線もあるけど……確かめましょう」


 私たちはうなづいて光が見えてた方へと向かった。ちくちくとするクリスタルの葉をかき分けて……けどそこには何もいなかった。エレメンタルもいない。ならやっぱりさっきの光は妖精?


「何もいないってことは見間違いじゃなかったら、さっきセツリちゃんが見たのは本当に妖精かもね」


「ううーもっとはっきりと見たかったです」


 私はそう言って地団駄を踏む。だって妖精だよ。見たいよ。きっとお兄ちゃんのことだからちゃんと私好みの妖精を用意してくれてる思う。そういうところは気が効くからね。


 まあ私好みというのはただ単に世間一般が想像するような妖精である。小さくて、透明な羽が生えてるあれだ。時々作品によっては妖精って言ってもなんかキモいのとかあるじゃん。実は妖精ってそんなに神聖そうな見た目してませんよ……的な誰得な妖精とかさ……でも流石にLROではそんなことないって信じてる。


「警戒したせいでしょうか?」


 私は手に取った武器を鞘へと戻した。その瞬間なんかゾクッとした。視線? 私は周囲を見回すよ。


「どうしたの?」


「何か視線が……」


「セツリちゃん可愛いからね」


「そういうことじゃないですよ。感じませんか?」


「うーん私は何も……感覚は鋭敏なはずなんだけどね」


 感覚が鋭敏というのは別にただの肌感覚でこの人が言ってるわけじゃない。そういうスキルがあるんだ。『第六感』とか『危機察知』『危険察知』なんか結構細かく分かれてたりする。


 きっと膨大なスキルがあった方がいいだろうっていう開発者の小狡さだろう。お兄ちゃんも苦労したんだろうね。まあもちろん効果的には微妙に違ったりする。不意打ちとかが避けられるから、実際どれも有用なスキルだ。


 そして普通はプレイヤーならとりあえず全部とるスキルである。パッシブスキルだしね。あって困ることもないスキルだ。


「全部アクティブにしてますか?」


「そのはずだけど……いや戦闘中だったから第六感は切ってたかも」


「もしかしたらそれかもです」


 私は第六感もアクティブにしてる。まあ私の場合はまだ危機察知は持ってても危険察知は持ってないってのもある。なんかあんまり鋭敏になるすぎると煩わしく感じるってプレイヤーもいるらしい。


 だから戦闘の時に素早くパッシブスキルを切れるようにジェスチャーコードを設定してるプレイヤーもいたりする。


 私はまだそんなにスキルを膨大に持ってないからそんなことはしてないしパッシブスキルはどれもアクティブにして困ってないからね。


 もしかしたら妖精は第六感に反応する……いや、それがアクティブじゃないと彼らに気づけないのかもしれない。

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