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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1980/2711

1980 前に進む為のXの問い編 353

私は別にスオウに不満があるとかじゃない。ただ単純に羨ましいだけだ。まあちょっとは大変だなって思うけど、色々と特別感があるスオウが単純に羨ましい。


「こっちにいたと思うんですけど…… 」


「もしかしたら妖精を見るには何かのスキルが必要なんじゃないかっていわれてたりするんだけどね」


「そうなんですか?」


「ええ、まあけど憶測よ。セツリちゃんなら普通に見えてもおかしくないわ」


「いえ、私はそんな特別じゃないですよ?」


 私はまだまだスキルも少ないし、別に他の人たちよりもスキルの熟練度が上がりやすいってこともない。スオウや日鞠ちゃんのように可能性領域? って奴を開いてる訳でもない。祝福は興味あるけど……日鞠ちゃんやスオウがやってるようにこの世界のコードを理解する……とか私には無理なような気がしてる。


 むしろ召喚獣を召喚とかしたい。そっちの方が私の好みだ。祝福を得ると、召喚とかはできないからね。そういうコードを作ればできるのかもしれないが、祝福のことはよくわかんない。


 格好良くて綺麗な精霊を召喚する方が、私的には好きなんだよね。それに祝福は何か適性が必要みたいだしね。私にその適性があるのか……それを試すのも実は怖い。私はお兄ちゃんがすごかったから、私も……とか思われてる節があるが、私の特別感なんてのは容姿しかないんでは? って思ってる。


 


 ガサガサと周囲の森を見て回る。さすがに岩場にはいないかなって思ってね。もしかしたら岩の隙間とかにいるかも……いや流石にいないかってことでちょっと森の中に戻ったりした。


「妖精さーんいますかぁ?」


 そんな事を言ってみる。これで出てきてくれたら苦労なんてない。


「一体妖精って何を食べるのかな?」


「もしかして餌で釣ろうとしてる?」


「木の実とかでしょうか?」


 てかこのクリスタルの森で食べ物ってなんだろう? この森、岩も木もクリスタルだ。つまりは木の実とかもクリスタルだ。


「これ案外美味しいよ」


 そう言って近くにあったさくらんぼ? 的な木の実を手に取って口に運ぶ。洗ってもないけど……まあここはLROである。何か菌が付いてたとしても、リアルの体に影響が出るなんてことはない。


「ちゃんと中身はあるから」


「じゃあ、一個だけ」


 そう言われて、私も口に運んでみる。外側はちょっと硬い。普通のサクランボよりも硬くてちゃんと奥歯で押し込まないとダメみたいだ。けど岩みたいな硬さではない。噛み砕くと、中から甘い果汁が出てきたのがわかる。


「おいしいですね」


「うん、だからこれを食べてたりするんじゃないかな?」


「罠とか仕掛けてみましょか?」


「そういうこと、誰もやってないと思う?」


「そうですよね」


 確かにその程度、既に誰かがやってるだろう。じゃあ食べ物で釣る……なんてことは無意味ってことだ。そもそもがこれを食べてるのかとか本当のところはわかんないしね。


 そんな時、視界の端で何か動いたような気がした。


「あれ!」


 私はそれが見えた方に駆け出すよ。

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