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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1970/2712

1970 前に進むためのXの問い編 343

「お前なんかに負けてたまるか!!」


「ああ、俺たちはてめえなんかには負けない。才能だけのやつになんか負けてたまるか!!」


 なんかそう言って涙を引っ込めて闘志を燃やす小学生二人。なんでこんな事になったのか……僕は悪役になってる。いやいや最初はめっちゃ調子に乗ってたじゃん。それが今や、なんか真摯に卓球に取り組んできた卓球少年みたいなムーブをかましてる。


 そしてそんな二人を潰そうとしてるのが、僕……みたいなさ。別に僕はそんなつもりは全くないが……ただ楽しく卓球をしてるだけだ。それなのに二人は勝手に盛り上がってる。


「この!」


「なんで!!」


 ラリーが続く。けど僕も日鞠もミスなんてしない。でも向こうは焦ってるからかミスる。それによっていつの間にか僕たちは逆転してる。二人は十分うまいし、いやらしいところを狙うコントロールだってある。ボールに回転を付けて変化だって出来る。まあなれてしまえばそこまで大きな変化ってわけじゃないような気もするが、でも僅かな変化で打ち返す時にはそれぞれに対応したやり方をしないと上手く狭いコートに入らないからね。


 多彩なボールを打てる事はそれだけで武器になると思う。まあ僕はその全てに対応してるが……涙目になるのも仕方ないか。でもそれでも彼らは自分が頑張ってきた卓球に関しては負けることは出来ないんだろう。


 僕なんかよりもずっと卓球にその時間を注いできたんだろうしね。僕なんかさっき日鞠が言ったように久々である。そんな奴に……って感じだから「才能」とか思うのも仕方ないのかも。実際僕のこれは卓球の才能じゃないと思う。大体の球技はこの目があればそれなりにできそう。野球とかなら特に有利な気がする。


 だってあれって攻撃側なら見て打つだけだし。この発言は野球をやってるやつに怒られるかな?


「もっと出来る事はあると思うな。試してないこと、どんどん試していこうよ」


 お前はどっちの味方なのかと……てか日鞠だってミスしてないのに、小学生たちのヘイトが僕に溜まってるのは日鞠が向こうに寄り添ってるからだろう。なにか具体的な事を言ってるわけじゃないけど、二人がこの勝負を投げ出さないように、上手く日鞠が打った時にボールを高く上げて、落ち着かせる時間とか作ってるからね。


 そのチャンスボールを処理するのは僕なんだが……まあ何につきあわされてるのかよくわかんないが、とりあえずこの勝負、僕たちが勝った。


 最後には小学生たちは床にへたり込んでたよ。一セット勝負だったわけだけど、かなりラリーがつづいたりしてたから、いい運動になったと思う。

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