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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1961/2701

1961 前に進むためのXの問い編 334

「これなんかどうかな?」


 そう言って水着を取る日鞠。その手に取ってるのは胸元にフリルが付いた水色の水着だ。さっきからなにか一つ、胸元についてるのを選びがちな日鞠。そこで僕は日鞠の胸囲に目が行った。まあ……そんなに有る方じゃないからね。適乳とか言ったことがあると思うが、日鞠のおっぱいは手のひらに収まるくらいである。制服着たらほぼわかんない。まあ今は夏で薄着だから薄っすらと膨らんでるけどね。


 Aとは言わないが、Bくらいではないだろうか? もしかしたらBよりのCとかかもしれないけど、そこまで女子の胸のサイズに詳しくないから詳細にはわかんない。僕のこの目ならもっと色々……そう色々な胸の大きさをしっかりと見て経験を積んでいけば、もしかしたら観ただけでその胸囲を図れる――なんて特技を身につけることが出来るかもしれない。


 そのくらいに僕の目は性能がいい。まあこんな特技を身に着けてしまったら、何にその能力を使ってるんだよって呆れられそうだけどね。時々アニメキャラとか、ラノベキャラとかがそういう能力を持ってるよね。


 でも僕にはそんな沢山の女友達なんていないし、そもそもがその大きさを確かめるというか、自分が見たその胸囲と実際の大きさを体感することで、その視差との差異を埋めていかないと、特技というほどに昇華できないわけで……それってつまりは多種多様なおっぱいをみて、更にはそれを触ってみないといけないわけだ。


 そう考えると僕には無理だなって思う。そんなとっかえひっかえなんて出来ないし、そもそもがそんな沢山の女性にモテるような奴じゃないってのは自分が1番自覚はしてる。実際そんなに顔が悪いなんて思ってないが、細身だし、男らしいというよりもよく女の子みたいだねって言われた顔である。


 それに……


 僕は今度は胸じゃなく、色々と真剣に悩んでる日鞠を見る。今の日鞠は普段の大人びた一面じゃなく、普通のそれこそ女子高生の顔してると思う。そしてそんな日鞠の子供らしい顔を見て――


(こいつだけで十分だな)


 ――って思った。沢山の女子の色々な体に興味が無いか……と言われれば僕も男子である。興味はある。正直めっちゃある。けど日鞠を悲しませてまでそういうのを求めるかといえば、それはないと断言できる。


「どれも似合ってると思うけど?」


 僕がそんな事を言うと、ズイっと日鞠が顔を近づけてくる。それに僕はドキッとするわけだけど、日鞠はなんか険しい顔してる。


「スオウの周りは可愛い子ばっかりなんだよ。私だって……気にするよ。だって自分だけを見てほしいって……私だって思うし」


 そういう日鞠はなんかだんだん顔が赤くなっていく。彼氏彼女とかの関係になるのは日鞠だって初めてなんだよな。だから日鞠も僕に対してこれまで以上の事を想ってくれてる。そんな事を思うと、僕も嬉しくなったよ。

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