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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1958/2707

1958 前に進むためのXの問い編 331

「これ、とても素敵ですね」


 そんな事を言って日鞠は一つの小物……というかアクセサリーを取る。花とか謎のキャラとか有る中で日鞠が手に取ったのは、月と太陽をかけ合わせたようなデザインのやつだった。普段の……それこそ三つ編みメガネの格好の時の日鞠がこれを付けてたらこれだけ目立ってしまいそうなアクセサリーだけど、今の日鞠なら全然溶け込むと思う。


 今こそ、男を魅せるとき!! さり気なく「おごってやるよ」とか言って日鞠を飾り立ててあげよう。普段そんなに自分を飾り立てるようなことに興味ない日鞠だ。欲がないというかさ……女子的な思考があんまり無いというか……いや可愛いものとかは好きみたいだけどね。それよりも僕が好き……みたいな?


 別にこれは惚気ではない。自分よりも日鞠は他者を優先する傾向が強いってことだ。だからこそ、僕にめっちゃ尽くそうとするっていうか……一時期はそれが行き過ぎてたからね。僕の家にカメラ仕掛けるとかさ……


「えっと……似合うと思うぞ」


「そうかな? 私には可愛すぎると思うけど」


 そう言って首元に当ててみてる日鞠。アクセサリーとか売ってるのに、そういえばここには鏡がない。鏡があればここにある物をつけた自分――って奴を観られるからおいておいた方が良いのでは? って感じがする。二人以上で来たら、こうやってもう一人がそれを判断できるけどさ……でもやっぱり女子というか女性はどう見えるか、を気にするだろうし自分の目で確かめたいと思うんでは? 


 それかあれか? 女性はコンパクトくらい持ってるだろうって事か? でも持ち歩けるコンパクトの鏡って小さいからね。わざわざカバンから取り出すのも億劫だし、さり気なく売り場に顔全体が見れるくらいの鏡が有るのはいいと思うんだが……


「全然そんな事はないって。似合ってるし、気に入ったのなら、お、お、奢ってやってもいいぞ」


 彼氏ムーブを華麗に決められない僕。本当ならもっとスマートにやりたいが……いや僕には無理だよ。


「ふふ、ありがとうスオウ。けどどうせなら二人でおそろいが良いな」


「あんまり目立つのは嫌なんだけど……」


 さりげないのは良いけど、「僕たち付き合ってます!!」ってのをアピールするかの様なやつは正直勘弁して欲しい。いや、ここにはそんな馬鹿っぽいアクセサリーはないけどね。そもそもが同じ様なデザインの物がないからね。手作りだからだろう、全部一点もので、全部デザインが違う。そう思うと、どれにもかなり時間がかかってそうで、これでどれも一つ千円くらいなのは、ある意味で激安なのでは? いや、僕にはこういうのの平均的な値段なんてわかんないけどさ。


「えっと……それならこれを……」


 なにやら彼女『日暮里時雨』さんがカウンターから出してきた。売り物の中に入ってなかったアクセサリーだけど……いいのだろうか? それは僕の方にはめだたない感じのなんだろう? ヌイグルミというかちょっとファンシーなキーホルダーなのかな? まあ男が付けててもギリ、大丈夫そうなそれだ。


 そして日鞠の方にはそのキャラのピンなのかな? 髪留め? 確かに男には髪留めなんてしないし、かと言ってアクセサリーとか毎日つける習慣なんてのはない。だからキーホルダーなのかも。キャラ物ってのも、あんまりペアルック感なくてもいいかもね。


 この人、なかなかいいセンスしてるね。いや、こんな手作りの物を売り出してる時点で僕なんかよりもセンス良いのは確かだよね。

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