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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1954/2701

1954 前に進むためのXの問い編 327

僕は家から出る。それと同じタイミングだったのか、日鞠も家から出てきた。ピッチリした膝小僧を隠すくらいのパンツとフリルが付いた肩を出してる爽やかな白い服をきてて、髪はサイドでまとめてる。リボンやピンを使っててそれもワンポイントで可愛いのを使ってた。


 そこそこ化粧をしてるのか、なんか日鞠にも気合が見て取れるような……唇とかプルプルしてる。


「スオウ」


 トテトテと足の甲とか見える感じのちょっとヒールが高い靴で走りかけるような感じでやってくる。走ってはないけど、歩いてもない感じの勢いね。僕はそんな日鞠を見てちょっとどきどきしてた。いや、お洒落してる日鞠だってこれまで何回か見てるし、そういう日鞠とでかけたときだって幾度となくある。だって僕たちはずっといっしょに過ごしてきた。


 珍しいことなんかない。けど男女の……と言ったらなんかやらしいから彼氏彼女となってるせいか? 意識が違うのか、今までよりも日鞠が可愛く見える。てかこういうギャップを狙って普段はあんなに芋っぽくしてるのか? たまに観るこういうお洒落した日鞠が普段とのギャップも相まってめっちゃ可愛く見えるっていうね。


 だから僕はちょっと顔をそらしてしまう。


「スオウ? スオウ? すーおう」


 絶対になんか遊んでる。僕が顔を反らした方に回り込んできて、絶対に自分から目をそらさせない……みたいなさ。たしかに日鞠は摂理みたいな絶世の美女って訳じゃない。でも髪型とか、メイクとかそもそも素朴な顔してるからなのかメイクが生きるというか、それによって本当に可愛くなってる。


 そのせいで僕の中で「日鞠めっちゃかわいいじゃん」っていう感情が溢れててさ……なんか往来なのに日鞠を抱きしめたいって……なってる。でも僕は常識があるからね。往来でそんなことできるわけもない。


 僕たちはそんな巷にいるようなバカップルではない。あんな恥ずかしいことをしたくないっていう気持ちがある。


「スオウ、私のこと可愛いって思ってる?」


 少し背伸びして僕の耳元にそんな事を囁いてくる日鞠。そんな事をしたらはしゃぎまくってる様なそこらの男子高校生ならプッツーンとなっちゃうぞ。プッツーンとなって抱きしめてしまうぞ。実際今は通りにも誰も居ないけど……


(やっちまうか?)


 なんていう悪魔の囁きが聞こえる。その欲望が自分の中から溢れ出しそう。けど僕は自分の羞恥心には抗えなくて、その結果、摂理の頭に手を置いてナデナデして精神の安定をはかった。


「思ってるから、あんまり挑発するなよ。抑えるのが大変だろ」


「抑えなくてもいいのに」


 そうは言うけど、やっぱり往来じゃ恥ずかしい。


「それじゃあ、休憩できるところにも後でいこうか?」


 え? それって……そういう場所って事? 今日はもうずっとそれを意識しちゃうじゃん。どうするんだよ。

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