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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1953/2709

1953 前に進むためのXの問い編 326

「これなんかどう?」


「良いんじゃないかな?」


「じゃあこれは?」


「うん、いい感じだよ」


「これと合わせるとか……」


「最高」


「おい」


 色々と候補の服とその組み合わせを披露してみたわけだが……摂理のやつ、肯定する意見しかくれない。いや、ボロクソに言われたいわけじゃない。でもただ肯定されると、なんかテキトーに言われてる気がするというか……


「違うよ。本当に良いと思ってるから。だって別段、悪いやつ無いし。壊滅的にダサかったら流石に言うよ。けど流石にスオウのセンスはそこまで悪いわけじゃないよ」


「じゃあ、この中なら摂理的に1番は?」


「それでいいの? 他の女が一番いいって言った服で行って日鞠ちゃんはどう思うかな?」


「日鞠なら何も言わないと思うけど」


 日鞠は出来たやつだからね。寧ろ「私もこの服、良いと思うよ」とか言いそう。はっきり言って、日鞠ってそういうやつだし。でも摂理はコントローラーから手を離さずに言うよ。


「確かに日鞠ちゃんは出来た人だもんね。日鞠ちゃんが誰かの悪口やなにかの不満を口にするなんて考えられないよ」


「そうだよな」


「けどね、日鞠ちゃんだって人間だよ。ううん、私たちと同じ年の女の子なんだよ。そう思えないかもしれないけど、そうなの。だから言わなくてもきっとちょっとだけでも不満の種? みたいなのは生まれてると思う。そういうのいっぱい我慢してるんじゃないかな?」


「日鞠が?」


「日鞠ちゃんも人間だもん」


 そう言われればそうなんだけど……あいつは我慢するような性格ではない。あいつはああ見えて……まあ見た目的には積極的に行きそうな見た目はしてないからいいのか? 三つ編みメガネだし……流石にプライベートではそんな見た目してないが、制服着てると野暮ったくしてるからね。学校でのイメージはそうなると思う。


 けどあいつは自分の意見を通してる。あいつは決して……ってわけじゃないが、自分の意見を曲げない。大体に置いてあいつの意見って正解だからだ。でもそれを無理矢理でも上からでも言うこともしない。


 あいつは人によって態度変えて、手を変えて、いつの間にか自分の意見を通すやつだ。だから我慢なんてしてるとは……確かにグイグイ行くやつと違って「私が私が」なんてことは絶対に言わない。


 あいつは全てを掌握するのを得意としてる。いつの間にかみんなが日鞠の意見に、いや日鞠が示した道を歩いてく。そこに最初にあった不満とか不安とか、後悔なんてのは消えてるのだ。まあだからあいつを既に普通の同い年の女の子……としてみるって……いや観てるけど。女の子としては見てる。そうじゃなかったら、恋? とかしてないし。実際この気持が恋なのかと問われてもよくわかんないってのはあるけど。


 実際、日鞠は崇拝されすぎてて、周囲からは持ち上げられるのが日常だから、僕はあいつを極力普通に見ようとはしてる。まあだからってみんながあいつを遠巻きにしてる……ってことは全然ない。皆確かに日鞠に頼ってるし、信頼もしてるが、普通にはせっしてるんじゃないだろうか? 遠巻きにされて誰からも話しかけられない……なんてことはないからね。寧ろ大人気。


「とりあえずこれで行くよ。ありがとう。日鞠の事はもっとよく気にかけるよ」


「そうしてあげて」


 僕に何が出来るのか……ってのはある。けど僕はあいつの彼氏だから、もしも弱音を吐きたいとかあるのなら、僕がそれを受け止めるべきなのかもしれない。だってあいつはそういうの周囲には漏らさないし。そんなのが有るのかも分かんないが……とりあえず今日はあいつにそれとなく聴いてみよう。


 ちょっとした目標が出来たから、僕は家を後にしたよ。

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