1952 前に進むためのXの問い編 325
「お前な……」
「ん?」
その大きな瞳、整った顔をコテンとする摂理。ダボッとした服一枚しか羽織ってなくて、足はさらけ出してるし、肩だって片方出てる。てかそのTシャツ僕のじゃないか? 僕は男としてはそこまででかいわけでもなく、平均みたいな背格好をしてるけど、女の子である摂理が僕の服を着ると、やっばり大きいらしい。
頭の天辺から足の指先まで、まるで丁寧に作られたかのような、その容姿……カーテンも締め切り、明かりもモニターからの明かりだけでとても目が悪そうになりそうな部屋の中、なんか摂理だけは、そのモニターの明かりを受けて輝いてるようにみえる。
実際はそんなわけないんだが……その滑らかな肌や艶やかな髪のせいなのか……
「ああ、興奮しちゃった?」
「べべべつ、そんな訳……」
実際はその格好に綺麗な脚……そして脚から続く見えそうで見えない部分が、とても危ういから男子高校生としてはとてもありがたくは有る。でも僕の彼女は日鞠なわけで、摂理で興奮とかしちゃうのはなんか罪悪感が……ね。ある。
だからなるべく見ないようにする。でも視界を開くと、自然と摂理に……摂理の色々な部分に視線が吸い込まれていく。こいつはその容姿の特性上、どこへにも視線を誘導できるというか……いや摂理事態は狙ってるわけじゃないと思うけど、摂理の容姿はどうあっても異性の視線を引き付けるのだ。
こんな無防備で油断した姿……もしもブロマイドにでもして売り出したら学校だけでかなり稼げそうでは有る。それだけこいつは可愛い。容姿だけで生きていけそうなくらいには可愛い。
「何、やってたんだ?」
とりあえず視線をそらしつつ、そんな事を聞く。すると摂理はコントローラーを見せて「ゲームだよ」って言ってきた。摂理のやつはレトロなゲームもやってるからな。てかこの様子だともしかしてだけど……
「まさか徹夜したとか?」
「面白くて」
周囲をよく見ると、飲み物や食物がけっこう散乱してる。いつもなら僕たちが学校に行ってる間に、おばあさんが掃除をしてくれてるわけだけど、夏休みに入ってからは来てもらってないから、ゴミが溜まってるような……他の部屋とかはこんなふうになってないんだけどね。ちゃんと綺麗にしてる。
そもそも僕だけの時はそんなにものもなかったから、あんまり散らかりようがなかったってのもある。今は女性が二人いるからね。時々女性物の服とかが散乱してるとか、朝起きたらテーブルに酒とつまみが散乱してるってことがあったりするが、そういうのは気づいたら僕も片付けてる。
だから家の中は普通だ。でもこの様子だと……もう一人の方の部屋もどうなってるのかなんか心配になってきた。既に摂理のこの和室がちょっと汚部屋化してるし……けどだからって許可なく男な僕が女性の部屋にはいるわけにもいかないからね。
(ってそんな事を心配しに来た訳じゃないや)
僕はとりあえずこの現状からは目をそらして、デートの為の服を摂理に判断してもらうよ。