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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1948/2705

1948 前に進むためのXの問い編 321

「とりあえず、一度報告に言ったほうが良いな。これからの俺たちの身の振り方を決めねばならねえ」


「身の振り方かぁ……まあ文句つけられたらやっちまうか?」


 悪の組織であろうとして、そんな事を言ってくる奴が……いやまあ別にゲームの中だし、無謀なチャレンジをしちゃ駄目……なんてのはない。寧ろリアルでは絶対に取らない選択肢……それを積極的に取っていっても良いんじゃないのか? とは思ったりもするよ。


 だってせっかくリスクはないんだからね。死ぬことはないんだから、でっかい組織に喧嘩を売るってのもある意味で信念を持った悪の集まり……なんて感じがするのかもしれない。


「俺たちなら……それも行けるか」


 ぼそっとリーダーがいうよ。それに合わせて「ふっ」と笑ったり「また面倒な」とか言ったり「それも楽しそうだ」とかいう奴ら。やっぱりコイツ等ノリ良いな。実際誰もが自分たちで悪の大組織に勝てるなんておもっちゃいないだろう。


 けどただ唯々諾々としてる悪と、自分たちの信念を貫き通す悪……どっちが好みの悪なのかと言ったら、それはここの奴らは後者のようだ。別に悪の大組織で高い地位につきたいわけじゃない。実際はこいつらも本格的な悪のドアを叩いて、今回のミッションを受けたわけだけど、コイツラの中では「なにか違うんじゃないか?」という思いがあったのかもしれない。


 けどそれは最初からわかってたような……ガチで悪の組織をやってる大組織と違って、コイツラのはあくまで悪役ムーブをやりたい奴らが集まってるだけだからね。本当に悪いことをするのは気が痛む奴らばかりである。


「奴らは俺たちを試してた。でもそれなら俺達だって奴らを試してもいいよな?」


「奴らがどう出るのかってことだな。悪の形は一つじゃない。俺たちは俺たちの悪を貫くのみ。そうだろリーダー」


「そもそもが彼奴等、そんなに好きじゃなかったし、反抗してみるのもいいじゃない?」


 みんなそれぞれ、自分が言ってみたかった悪っぽいセリフを引き出して行ってるな。お祭り後もあって、きっとテンション高いんだろう。絶対に悪の大組織の中では言えないこと好き勝手言ってる。リーダーも「そうだな、俺たちの悪と奴らの悪は違う」とか月をみながら言ってるよ。


 絶対にこいつ、悪の大組織の拠点にいったらこんな風にできないと思う。


『すんませんー! 実は盗られちゃいまして!! なにとぞ!! なにとぞ寛大な処置を!!』


 とか言って綺麗なジャンピング土下座をするんじゃないだろうか? この組織の悪の矜持なんてのは実はそんなものなんだよね。楽しめたらなんだっていいスタイルだから、本格的に大組織と事を構える……なんてのはしないだろう。


 けどそんなゆるさや自由さ……いやテキトーさがある意味で心地よかったんだよね。

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