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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1941/2701

1941 前に進むためのXの問い編 314

なんとこのコードの映像はこの家にとどまらずに対象を追っていけるらしい。なんとも便利な。けどそれを考えてる場合じゃない。一体奴らはどこに行ってるのか……てか更に思ったけど、コードを展開して、別の奴を映像から押して見ると、そいつにフォーカスした視点が新たに出てきた。


「これは一応全員分出しておくか」


 僕はとりあえずあの場にいた黒尽くめの奴ら全員分の映像を表示させる。これでもしも奴らが別行動を取ったとしてもその動きがわかる。これは強い。


「追いかけるか」


 ここで映像を観てるだけでは行動が遅くなる。たしかに僕はそのスピードが自慢ではあるが、距離を一瞬で詰めれるわけじゃない。空間移動とかしてるわけじゃないからな。ただ早く動いてるだけ。なら距離は近ければ近いほうがすぐにその場にいける。空間移動とかできれば、本当にどれだけ距離が離れていても一瞬で行けるんだろうが……そんな高度な力を僕は持ち合わせてない。もしかしたらだけど、会長とかなら祝福を利用してどこでもドアくらい作りそうだけど。だってあれってゲートを応用したらできそうだし。


 でも流石にシステムに引っかかるか? いやでも、エリアに行くとか超長距離を一瞬で移動するゲートを新たに作るとかじゃなければいけるかもしれない。ゲート事態は多分数に制限が掛けられてて、それはきっと運営側の都合で増やしていくようになってるようだった筈だ。


 けど個人で利用するのまで制限するかとなるとそうは思えない。そもそも誰かは空間移動系の力をとってももおかしくないし。だってそういう空間移動ってこういうファンタジー世界では定番の能力で、誰しかもが憧れるものの一つだ。


 それがこのLROに実装されない? そんな訳はないと思う。だってここはみんなの夢が詰まってる。てか詰めるだけ詰め込んでるって感じはする。だからきっとある。有るものは、祝福があれば作れる。いや、無いものでも会長なら作り出せそうだけどね。


 とりあえず僕は家から飛び出して屋根に上がった。レスティアの地理は把握してる。映像から見える風景やら建物から奴らがどこらへんにいるかを測って僕は走り出した。


「ん?」


 なんか戦闘が始まった。黒尽くめの奴らを別の黒尽くめの奴らが襲ってる。あのさ、誰かを襲う時は黒尽くめのじゃないと駄目とかいう決まり有るのか? でもそっか……裏の組織は一枚岩ではない。でもそれは二枚でも無いってことだ。きっと他にも僕の得た権利を狙ってた奴がいたんだろう。先を越されたが、奴等が持ってるのは確定してるんだから、このタイミングで狙ってきたってことだと思う。


 ということは同じ組織の、別派閥ってことか? ややこしい。まあ大きい組織になるとどうしてもそういうのが生まれるのは仕方ないと思う。それこそかなりのカリスマ性がないと、そういう大きな組織って維持していくのが大変だよね。大体は時間とともに内部崩壊とかしそう。その点に冠して言えば、テア・レス・テレスは強い。


 なにせ会長……つまりは日鞠はカリスマ持ってる。なにせリアルでも人を集めまくれるやつだ。実際これだけの組織を持つってのは日鞠も初めてだと思う。けど、聴く限りテア・レス・テレスが内部でいがみ合ってる……なんてのはきかない。


 会長を頂点としてつつがなく回ってるんだろう。それに実際表と裏ではプレイヤーの意識も違うんだろう。悪者ムーブをしてるやつは積極的に悪いことをやろうとする。それも有ると思う。ゲームなんだから普段ならできないことを……って意識があるんだと思う。


 それは否定なんかしない。そういう楽しみ方があってもいいだろう。実際悪役ムーブはなかなかに楽しかった。ヴァレル・ワンのパーツを奪う時はノリノリだったし。でもそういう時はちゃんと恨まれる、報復される覚悟だってしてやってたさ。


 コイツラにはそれがあるのか……ただ嫌なことして、やりたいことだけやって楽しめる……なんて思うなよ。

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