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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1938/2746

1938 前に進むためのXの問い編 311

「つっ!?」


 コンパクトに動いて、フラングランの攻撃を捌く彼女。まさかここまで近接型とは思わなかった。さっきからかなり攻撃を仕掛けてるんだけど、紙一重でかわされて、拳で弾かれて、そして振るう前に、攻撃を防がれたりする。なに? こっちの攻撃を予測してるのか? 勢いが乗る前に攻撃されるというか、気勢を制されるというか……そんな感じの動きをされてる。めっちゃ武道って感じの動きしてるよ。


「さすがの速さだね。めんどい」


 そう言われて、なんか投げられた。いきなり踏み込んできて、背中を合わせられた。そして腕を取って、勢いを利用、更に足を弾かれてズバン!! だ。鮮やかすぎてびっくりした。実際の所、怒涛の攻めに削れては居た。そこそこ削ってHP的には半分を切ってたはずだ。でも向こうは武器持ってなかったし、服装だって、ただの普段着みたいな格好だったからな。


 自慢できることではない。彼女がちゃんとした戦闘用の武装してたらどうなってたか……とりあえず僕が投げられたことで黒尽くめの奴等が迫ってくる。ボウガンが放たれて、斧持ちがその斧にスキルを宿して振りかぶってる。僕は空中でも動ける。だから振りが大きな斧の攻撃を避けるのは簡単だ。でもどうやら避けても意味はなかったらしい。


 床に叩きつけて、その衝撃が周囲に広がる――そんなスキルだった。その衝撃で、体から風帝武装が剥がされる。そこに鞭が絡まってきて僕の体を拘束した。更にボウガンの矢が脚を貫く。体がガクンと傾く。


(まずい……)


 なんでもいいからインベントリからジェスチャーコードで呼び出そうと思ったら、なんか手がしびれてる。どうやらあのボウガンの攻撃にもさっきまでの状態異常を付与してたらしい。用心深いことで!!


 それにこの鞭そのものにもしびれさせる効果ありそう。そんな事を思ってる間にも、鞭がなんか何重にも追加されていく。どれだけ用心深いのか……そして斧持ちとボウガン持ちが必殺の一撃を用意してる。


 斧はその輝きをまして、ボウガンはいつもなら持ち歩けるくらいじゃん。それがなんか大きくなって、膝をついて全身で固定。まるで一個の砲台みたいにしてる。そしてためらうことなく発射される。同時に斧持ちが回転して、ジャンプして、その斧を振り下ろしてくる。僕はかき乱された風を戻して、防御に当てる。けどそれでもその攻撃は防げるような代物じゃなかった。


(ああ、油断せずにちゃんと会長の用意してたコードを使えば良かったな)


 そんな事を考えながら、僕はやられた。


「くっそ!」


 僕はすぐに復活した。復活場所はそもそもがこの家を指定できる。なにせチームのホームなんだから指定できないわけがない。自分のエリアか街の復活地点に接地されてるクリスタルのある場所か、今ならそれこそチームが持ってる建物とかさ……前に比べて復活できる場所も増えてたりする。


 一応僕だってこのチームだからここを指定できる。数十秒くらいの復活ペナはあるが、それでも外で復活してここに戻ってくるよりはよっぽど早い。一分だってかからないんだからさ。


 けど…… 


「居ない」


 復活して警戒しながら周囲をみる。実際敵がいるとわかってる場所で復活するってリスクが高い。けどそのリスクを負ってでも……と思ったんだ。でもどうやら意味なかったらしい。すでにあの黒尽くめの奴等と彼女は居なくなってた。勿論僕のインベントリから優勝商品は消えてる。これでプライベートなエリアとかに逃げ込まれたら、追うすべはない。でもだからってただ手を拱いてる場合じゃない。僕はすぐに行動を開始するよ。

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