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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1929/2700

1929 前に進むためのXの問い編 302

僕はとりあえず真っ先に向かってきた黒ずくめの奴を膝蹴りで迎え撃つ。てかここってレスティアの中だぞ? 戦闘行為なんて……いや他人のプライベート空間である建物の中は確かその持ち主がその設定を変えられたか……ほら、建物内にトレーニングルームとかそれこそ、決闘場とか作ったり、それこそ道場とかを運営したりするためにも、プライベート空間だけはユーザーの自由にできる様な事が必要だったから、そういう設定があったはずだ。


 だって基本、レスティアでは戦闘行為は禁止だ。それこそ今日のようなお祭りのときにはそうなってる。普段ならまあ、多少のいざこざくらいはできるくらいにはなってるが、せっかくのお祭りに水を指すような行為は禁止になってるだろう。


 そういうのの抜け道に決闘システムがあるが……アレは基本一対一。こういう裏稼業的な奴等がそういうのを使うとは思えないよね。きっと彼女はこのためにこの家の管理者権限的な物をチームの他の奴等からもらってたんだろう。


 僕以外はこいつがより深い闇のやつ……とは気づいてないからね。僕もわざわざそれを言ってないし。警戒されるかなって思ってね。だってアイツ等、めっちゃ演技下手そうだし……


「むっ」


 なんか膝蹴りはクリティカルで入ったと思ったんだけど、黒ずくめの奴は、僕がケリを入れる直前に腕でガードしてたみたいだ。逆になんか脚に針が刺さってる。これって……なんか視界がブレる。


「毒か……」


 HPは削られてないみたいだけど、体に異常を来たす毒のようだ。なんか手足が痺れる感覚がある。HPは毒で削らなくても、直接削ればいいって考えなのかもしれない。膝蹴りを入れた奴以外にも、後三人迫ってきてる。この暗さで、自分のこの目の良さが活かせないのはやばい。キラリと短刀がきらめくのが見えた。けど二重に見える。でもそれはなんとか交わした。


 解毒薬を飲めばこの毒は解除されるだろうが……その動作をさせる余裕をコイツ等は許してくれないだろう。練度が高い……連携も……めっちゃうまい。さっきから、チクチクと毒が追加されてるぞ。このままじゃ、体が動かなくなる可能性がある。室内を利用して、床だけじゃなく、壁や天井まで使って縦横無尽に黒ずくめの奴等は動いてる。


 そういうのはこっちの専売特許なんだけど……ふらつく体では難しい。


(このままじゃ、やられる……)


 その危機感がある。やられたらインベントリのアイテムが落ちる。だからそれで強引に僕の受け取った商品を取る気かコイツ等? でもそもそもがここって外じゃないからな。建物内で、一応僕もここのメンバーで身内的な扱いだ。それなら……幾らバトル可してるとしても、僕のインベントリが落とされるのか? って気はする。


 


(それに……僕たちはそもそもがこのアイテムを渡すつもりなんだけど……)


 より闇の深い方々にね。そしてそれはきっと彼女の、いや彼等の上司的な奴等は普通に知ってるだろう。ならこんな事をやる意味ってなんだ? 何もしなくても手に入る物を強引に手に入れようとしてくる……


(やっぱり闇の組織にも派閥的なものがあるとかか?)


 闇の組織も結構大きい組織みたいだからね。ソレはあり得る。そして闇の組織言うからこそ、そういう蹴落とし合いが日夜繰り広げられてるとすれば、僕たちが献上するのが面白くない奴等が居てもおかしくない。


 まあけど、今は戦闘に集中しないと……このままじゃマジでやられる。僕は風をあつめてるんだけど、どうやら向こうはその対策もしてるらしい。一番後方に鎮座してる彼女がさっきから一番初歩の魔法を適当に詠唱してやがる。それなら札でいいじゃんって感じの威力の魔法なわけだけど、僕がきっと普段から札を使ってるから、札で生み出したら支配されやすいって考えなのかもしれない。


 実際ソレはあんまり間違ってないしね。魔法ともなると、それを支配するのは骨が折れる。そしてこの狭い中ではなおさら。窓も締め切られてて、空気の循環もない。その中で乱される室内の空気……実質使える風は自分で生み出す分しか無い……札もある程度あるが……さっきから毒を打ち込まれすぎて、上手くジェスチャーコード出来ないし……まじでピンチだ。


 かなり一方的にボコボコにされてる。こいつ等……僕を倒すための研究を良くしてる。それがよく分かる。

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