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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1927/2701

1027 前に進むためのXの問い編 300

「貴方の知恵と勇気、そして努力をたたえてここに評します。おめでとう」


 そんなことを会長が言って、壇上で僕にメダルを掛けてくれる。するとなんということだろうか。周囲からブーイングの嵐が巻き起こる。いやいや、ちゃんと盛り上げろよ。初めてのプレイヤーが主催する大規模イベントだぞ。皆ちょっと子供っぽすぎない? そこは大人になろうよ。やっばりさっき会長を抱き寄せたことが尾を引いてるのかもしれない。


 アレがなければ……もしかしたらまだ形だけでも、盛り上がってるところを見せるために祝福してくれたかもしれない。


(でもまさか、会長がこんなに人気とは……)


 実際の所、会長ってこのLROではそんなに……ね。いや、この世界には早々ブサイクなんていない。それこそネタでやばいやつを作ってないとさ。それかNPCか……だから会長だって、リアルの日鞠と比べるとメガネもしてないし、地味っていう印象は薄くなってると思う。けど、美男美女ばかりのLROではそんな突出してはない。むしろ埋もれると思う。その立場がないと、町中でスルーするだろう。


 ヒロインとかさ、お姫様とか……そんな感じの空気はまったくない。だからなんでこんなに人気なのか実際謎である。まあやっぱり立場なのかな? 会長と接すれば、大体は信者になるとは思うが……さすがの会長もこんな沢山の人達と一人一人知り合いな訳はない。


 だからきっと、媚売りたいやつが大量にいるんじゃないだろうか?


 僕がメダルを首からかけてもらうと、花火がシュポシュポっと打ち上がった。まだ日も高いからそんなに花火が綺麗ってわけでもないが……こういうのってもらったこと無いからなかなかに嬉しい。外野なんてのはきにしない。


 むしろ堂々とメダルを掲げてやるよ。かじったりしても良いかもしれない。それか近くの会長をお姫様抱っこでもしてやろうか? そうすると再び周囲の奴等が憤慨するかもね。それはそれで面白いが、一番ヘイトを貯めるのは実はテア・レス・テレスの面々だからな。結局のところミーハーな周囲の奴等とは違って、テア・レス・テレスの面々は明確な信者だ。テア・レス・テレスも大所帯だろうから、実際そんなに会長にかかわってないやつも居そうだけど、狂信者は確実に多いだろうからね。


「残念だったなアギト」


 表彰も終わると、各々祭りの続きを楽しみだした。一応今夜まではこのお祭り騒ぎは続くだろう。この後はミス・レスティアとかを決めたりもするらしい。ようはミスコンだね。それに盆踊りとか演る予定だとかは聴いた。


 ゲーム世界で盆踊りって……という感じはするが、まあこういうのは楽しんだもの勝ちだからな。けどそんなお祭りの中、テンションが下がりに下がってる奴を見つけたら、声をかけずにはいられないじゃん。


 実際優勝者である僕から直前で負けたアギトに声をかけるのはどうかなって思ったわけだけでも……なんか死んだ魚の眼でフラフラと人混みの中を歩いてたら気になるじゃん。だからとりあえず僕は祭りで買った食物を差し出しつつそういった。


 けどなんか無視された。やっぱり一位の僕から話しかけられるのはイヤだったのかもしれない……がなんかもっと深刻な様な気がした。

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