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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1918/2701

1918 前に進むためのXの問い編 291

僕は一気に前の二台においついた。風の制御、そして雷の爆発力を得た僕のヴァレル・ワンは緑の風が線を引きながら、その機体自体にバリバリと帯電してる。


「スオウ!? あのまま後ろにいればいいものを……いや、そんな奴じゃないよなお前は!!」


 そんなことを言って追いついてきた僕に追い越されないために、アギトの奴はは更に炎をエンジンに投入してる。よく見ると、なんかめっちゃアギトは汗をかいてる。やっぱり暑いのか? てかこっちも熱いからな。こいつの近くに来ると。炎のせいで周囲の空気が温められて、へんな上昇気流が出来てないか?


「アギト、あんまり無理はよくないよ」


 僕は冷静にそんなことを言ってやるよ。勿論、この場面でそんなことを言われたとしても、それで止まるやつなんていないだろう。だってゴールは目前である。勝負はもう僕たち三台の戦いだ。他に入ってこれるやつはない。いや……アギトには悪いけど、実際の所は僕と三位一体してる奴の戦いだ。


 なぜなら……僕にはわかってしまったよ。この状態。『嵐天武装』でそれがわかった。あんまりやらないから知らなかったが、なんか理解力? というか、僕の瞳に新たな力がある。僕の目は普段からよく見えてた。それこそボールがゆっくり見えたりさ、どんなに速く動いてる奴等だって、そこそこ遠くにいても、みえるって感じのことが普通にできてた。勿論、見えないものが見えるとか……透視できる……とかまでではなかった。遠くのものかみえるといっても、ズームできるわけではなかったし……まあそれでも遠くの人でも顔がはっきり見えてたりしてたから、ある意味でズームしてたのかもしれないけどね。


 まあズームというよりも、人よりも元々画素が細かく見えてたのかもしれない。モニターじゃないし、画素なんてリアルにもLROにもないんだが……いや、LROにはあったかも。なにせたくさんの人々がLROには居るわけで、その人達が全員超鮮明に全てを認識してたら、さすがのLROでもそのスペックが足りなくなったりするかもしれない。だから目の特性上、ハッキリ観たいものだけを解像度を上げて、ほかは程々にする……とかいう感じではあったかもしれない。


 その解像度が僕の目はやたら高い可能性はある。それに今の僕はそれだけじゃないらしい。この今の状態の瞳には色々と更に見える。なにかというと、その対象の状態? みたいなのが見える。いや、確かにLROはゲームの世界だから、プレイヤーには相手の状態がある程度は見える。


 それそこ戦ってるなら相手を毒にしたとか、デバフをかけたとかの状態異常の状態とかさ……HPとか見えるわけじゃん。けどそれは普通に視認できるものだ。だから今の僕はそれ以上がなんかわかる。目に映る全てのものが余分な情報を持って表示されてる感じだ。草の情報、石の情報、空を見たら、雲の情報。なんだったら大気の情報までみえて、天気予報が表示されるんですけど……この世界、天気予報なんてものはない。たしか街にいる占い師? 的な人に聞けるけど、それだけだ。


 でもなんかその人よりも正確に今の僕はこれからの天気を知れてる。でもわざわざこの状態にまでなって天気を知りたいか? と言われると知りたくはないよね。まあけどつまりは、今の僕はシステムの一段回深い、それこそスキルとかにあるようなことか出来てる気がする。


 だってこれって、定番の『鑑定』スキルみたいじゃん。でもそれよりも深いものも見えてるけどね。


 そしてそれによって僕はより詳しく、ヴァレル・ワンの情報を得れる。それこそヴァレル・ワンに使われてるパーツ一つ一つの情報さえ見える。それによれば……


(アギトのヴァレル・ワンのエンジンはもう限界だ)


 どうやらアギトの機体はゴールまで持たない。それがわかってしまったよ。

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