1914 前に進むためのXの問い編 287
前と後ろから一斉にアホみたいに攻撃を仕掛けてきてるから、それによってプレイヤーたちはどんどん脱落していく。てかもう訳わからん状態になってると言っていい。僕を狙ってたはずだが、誰かの攻撃が自分に当たってしまうと、イライラしちゃうよね。
それは仕方ない。そもそもがここにいる奴ら、それぞれ別のチームとか、それこそ個人とかだからだろうからね。実際攻撃が当たっちゃったら思わずイラッとするだろうね。それこそヴァレル・ワンにはかなりの労力を使って作ってるだろうからね。
もう優勝の目はなくて、けどせっかくだから僕たちみたいな上位陣を妨害することでその存在感を示して一矢報いたい……みたいな思いがあるんだと思う。なのに適当な攻撃で終わるってのは嫌なんだろう。
それなら普通にレースをして、完走したほうがよっぽど達成感がある……みたいな事に気づいたのかも。まあけどここでこの戦いに参加してる以上、もう後戻りは出来ないからね。逃げる……なんても出来ないだろうしね。だから走れなくなったやつも、武装をぶっ放してるからね。そのせいで、巻き込まれる奴続出。それに僕的にも適当に撃たれる方が避けにくいっていうね。
まあ難しいってだけであたりはしないが……
「うげっ!?」
なんかすっげー勢いで突っ込んで来てたヴァレル・ワンが横から飛び出してきたヴァレル・ワンとぶつかった。それは別にラッキーではあるんだが……更に別のヴァレル・ワンにぶつかってこっちに飛んでくる。まじでそういう事故を起こして奇跡の様な軌道を描くのはやめてほしい。回転しながらこっちに迫って来るヴァレル・ワン。
避けるのはなんか難しいから、その横回転に合わせて、僕はヴァレル・ワンを差し込んだ。そして、機体自体は風帝武装の風で保護しつつ、機体がぶつかる。でも僕はその回転してる勢いに身を任せて、ゴールの方へと向いたときに離脱する。そのまま回転してるヴァレル・ワンは後方に、僕はその勢いを利用して回転しつつゴールの方へと向かう。
「その状態じゃ機体の制御なんて出来ないだろう!!」
そんな声とともに、突っ込んで来るやつが見える。この銃弾とミサイルが飛び交う中、確実に僕の機体を潰すために接近を試みる奴等って案外多い。実際、これまでのレースで僕には遠距離攻撃が刺さりにくいってわかってるみたいだね。だから確実に近づいて当てたほうがいいって事になってるのかもしれない。
まあけど……
「残念、別にいつだって機体は制御できるんだ」
僕は回転をピタッと止めて、突っ込んできてたやつを避けて前に進むよ。なにせ今は風帝武装をまとってるのだ。だからピタッと止まることも簡単だし、それから一気に加速することだって簡単だ。
風帝武装で僕の操縦技術が極まってると言っていい。もうヴァレル・ワンが乗り物って感覚がないもん。自分の体の延長線上……その感覚になってると言っても過言じゃない。




