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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1911/2707

1911 前に進むためのXの問い編 284

僕よりも先にアギトの奴は落ちていった。わかってたけどね。最初からこっちの方が高度高かったし。速さで行ったらアギトの奴が早かったけど、最初から下方気味だったし……でもまさか爆発の炎を取り込んで加速するとはね。そしてそのまま山を飛び出すとは……アギトの奴も無茶するよ。あれじゃあ、エンジン駄目になったんじゃないか? わかんないけど。


 とりあえず僕はめっちゃ距離を稼ぐ算段だ。僕のヴァレル・ワンのメリットはその軽さ。それによって長く風に乗ることが出来る。ジャンプ台で飛ぶって事はできなかったわけだけど、こっちは爆風を推進力に変えて、そしてその後は自分で風を掴み、今までの最高飛距離が出そうである。


 下にあるコースで待ち構えてた奴等はご愁傷さまだ。まあ普通に下を見ると、ヴァレル・ワン同士が戦ってるけどね。もう三週目だからって武装を誰もが使いまくってる。別に当てるのは僕たちの様なトップ集団じゃなくても、もういいらしい。まあ僕や一位の奴、それにアギトとかは山からとびだせたけど、他にもトップ集団は居るから、そいつらに彼等のヘイトは向くだろう。


 精々バチバチやりあって、後ろの方を妨害してほしい。


「このまま空からゴールできたら最高なんだけどな……」


 そしたら僕の独壇場だ。でも流石にそこまで飛ぶことは出来ない。もしかして会長のやつに計算されてたか? その可能性、ないとはいえない。もしかしたらのことまで考えてそうだし。まあ僕が空からゴールしたら、実際このレース的に盛り上がらないだろうからね。それでもなんやかんや、海岸に近いところまで行けそうではある。


 まだ高度が高いから、下からの攻撃を意識する必要もない。そこまで高い高度に攻撃できるような装備はまだなかったからね。けど地上が近づいてきたら、そこにいるプレイヤーが攻撃してくるだろう。それまでに……


「風帝武装を完成させるか」


 いいところまでは行ってる。けど今までは周りがうるさくて最後の最後で止まってる感じだった。けどここは……この青空の中なら、誰にも邪魔されない。ここは僕の空間だ。僕だけの……ね。だからここでやる。それに風帝武装をヴァレル・ワンにも施せるのなら、空中でも動けるようになるはずだ。そうなるとかなり強いと思う。


 自分の周りにある風の密度を上げつつ、更に風を取り込む。爆風はとっくに過ぎ去って、今や自然の風が吹いてる。それを取り込んで行く。でも自分自身だけじゃなく、ヴァレル・ワンまでも覆うほどの風。それをまとめ上げるのが大変だった。けど今なら出来る気がする。


『風帝武装・連装』


 なんかそんな文字が視界の端に見えた。

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