1910 前に進むためのXの問い編 283
俺はここで終わるわけにはいかない。この後にどうなるかわかんないが、それでもここで諦めずにゴールを目指すために、俺は……決断をした。突っ込む場所が地面ではなくて湖なのはもうどうしようもない。ある意味で地面に激突してそれで終わることがないということをありがたがっていくことにする。
俺はまだまだダメージ抜けきってないエンジンに無理をさせることにした。三つあるエンジンの内、外側にあとづけした巨大な2機のエンジンを噴かせる。実際、この飛距離を出すために、爆発の炎を取り込んだエンジンはダメージが回復しきってない。ここでこれ以上無理させたら……ってのはもちろんある。けど……ここで普通に湖に突入したら、それこそ完全に終わる。湖の中でエンジンが完全に停止してしまうと思う。
そうなってしまうくらいなら、先に今、もう一度吹かせることで湖の中を突っ切ろうということだ。てか考える限り、それしかない。
『頼むぞ!!」
俺は後方の2機のエンジンを再び噴かせた。なんか黒煙がボッボッと吹いてなかなかかからない。
「焦るな……焦るな……」
迫る湖。水面はめっちゃキラキラして眩しいくらいだ。とても美しい湖はまさに長閑だろう。けど俺はその雰囲気を壊すことをしようとしてる。勘弁してほしい。俺は何回も何回も2機のエンジンを吹かそうとする。
やっぱりさっきのダメージのせいだろう。なかなか息を吹き返さない。そもそもがまだ冷却できてないだろうしな。でも、しょうがないんだ。頼む! マグナムの先端が湖に触れる――その時にようやくエンジンが吹き返す。そしてそのままでかい水柱を立てて俺は湖の底を目指す事になった。ドバーンという音とともに、ジュワーという音も聞こえた。多分俺のマグナム・ドライブが湖の水によって冷却されたから、それによって水のほうが一気に蒸発したからきっと耳にもそんな音が届いたんだと思う。
真ん中のエンジンは完全に停止させて回復を図って、この湖で左右の2機のエンジンを犠牲にする気で、俺は湖の底を走る。勿論出力はマックス。息を止めて、水圧と推進力に耐える。湖の中はそこそこに暗く、上を見ると揺らめく光がみえる。そして優雅に泳ぐ魚たち……は俺のせいで周りにはいない。
けど綺麗だとは思う。でもそれを楽しむ余裕はない。なるべく早く通らないと……なにせいつエンジンが止まるかわかんないからだ。無理に無理を重ねてる。いつ止まってもおかしくないのが現状だ。そんなことを思いながらも、なんとか湖を抜ける。だがそこが限界だった。2機のエンジンはどんどんと音を弱々しくしていく。
「助かった」
俺はそんな風にいって、側面の2機のエンジンをパージする。そして中央のエンジンを再び吹かして最終局面に追いつくために走る。
 




