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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1909/2701

1909 前に進むためのXの問い編 282

「あいつ、どこまで飛ぶんだよ……」


 俺は思わずそんなことを言ってしまう。最初、勢いよく飛び出して、俺は後方からジャンプしてスオウのやつを追い抜いた。爆発の炎を吸い込んでその勢いを推進力へと替えた俺のヴァレル・ワンは自分でも制御出来ないほどの速さを生み出して山から飛び出してた。


 でもジャンプ台とかを使えたわけじゃない。なにせジャンプ台はスオウが使う前にぶっ壊れたからだ。だからスオウだってジャンプ台は使ってないはずだ。けど、なんか最初からあいつはかなり高い所にいたような気がする。それに比べて俺は最初から下の方にいた。ジャンプ台がなかったから当然なんだが……それでもなぜかスオウのやつは大体同じ様な高度から飛んでるにも関わらずに向こうの方が今もなお高度を保ってるっておかしい。


 こっちは飛び立ったところからある程度まっすぐに進んで、そしてそのままの……いや更に勢いをまして下に向かってる。なのに、スオウのやつのヴァレル・ワンはいつの間にか俺を追い越して、更にはまだ上昇してる。ジャンプ台も使ってないのになんで上に向かって飛んでるのか……


「アレが風を操るってことか……」


 勿論それだけじゃない。あれはスオウが自身のヴァレル・ワンを極限まで軽くしてる意味もあるんだろう。だからこそ、風でその機体を持ち上げる事ができてる。俺のヴァレル・ワンは重い。それこそエンジンを三つも積んでるんだから当然だ。それだけ下を向くのも早い。俺はどんどんと地上に向かって進んでる。それに対して、スオウのやつはまだまだ空中を進んでいく。それはまるで羽でも生えてるのか……と言いたいほどだ。


 でもそれでも俺もかなりの距離を進んだ。


「ん? て、やばくね?」


 なんか下に湖が見える。大きくてきれいな湖だ。その周囲には花が咲いて、動物とかが集まってるような、そんな長閑な雰囲気の湖。きっとここら一帯の野生生物の憩いの場なんだろう。実際のところはこの湖を迂回するようなコースになってるわけだが……このままではドボンだ。そのコースに俺はいる。


「まずいぞ……このままだと爆発させて勢いを殺すってことも出来ないような……」


 なにせ下は湖だ。そして俺が使うのは火だ。下にスキルを撃っても、爆発する前に鎮火してしまう。どうするどうするどうする!? 実はここから強風が吹いて伸びる……ってのを期待したいが……風はスオウの野郎が!! 


「こうなったら!!」


 俺は覚悟を決めたよ。エンジンにさらに無理をさせることを選ぶ。

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