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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1908/2701

1908 前に進むためのXの問い編 281

(どどどど、どうする? どうすればいい!? これ、勢いやばいぞ……いやまさか、ここまでうまくいくとは……)


 俺はさっきのことを思い出しつつ、これからどうするかを考える。あの時、そうスオウの奴がジャンプ台に侵入するときに、二台のヴァレル・ワンがその侵入経路に突っ込んで行くところから考えてた。


 あの瞬間、俺はスオウのやつの心配なんかしなかった。あいつならどうにでもするだろうってそんな気がしてたからだ。そして事実、あいつは難なくそれを躱してた。俺なら……いや、普通はアレだけスピード出してたら急に止まるなんて無理だ。確かにヴァレル・ワンはリアルの車ほどに止まりにくいとか無い。下手したら前の方に逆噴射の機構を内蔵させて急停止する……なんてことも出来るからな。


 リアルな車なら出来ないような改造がヴァレル・ワンでは出来る。それもある一種の楽しさとかになってると思う。まあそこはいい。とにかくあの瞬間、実際俺ならシールドを全開にするとかしてやり過ごしすしかなかった。けどスオウの奴は止まった。本当なら、今までの勢いをなくしたくない……とか一瞬でも迷うはずだ。更に加速してやり過ごせることにかけるか、それともなんとか止まろうとするか。大体は加速をつけることを選ぶだろう。


 なにせヴァレル・ワンも急には止まれないから。車ほどじゃないにしてもだ。それなら多少のダメージを食らっても、そのままジャンプ台を活用するのがいいと普通は判断する。それにもしかしたら加速したらタイミングがずれてギリギリかすらずともいけるかもしれない……とか思うじゃん。


 でもきっとスオウのやつにはわかったんだろう。あいつは目がいい。それこそLROの中だと異常なほどだ。実際あいつの場合はリアルでもその片鱗が見えるが……LROなら特にだろう。だからこそ、絶対にぶつかると判断した上で止まったんだと思う。アレだけピタッと止まられると相手はどうすることも出来ないだろう。


 その結果、突っ込んできてた二台のヴァレル・ワンが互いに正面衝突して爆発。なにせジャンプ台に侵入する一歩手前……絶対にコースとかを変えられないタイミングを狙ったそれは、絶対に避けられないはずだった。


 でもスオウは避けて、そして突っ込んできた二台が爆発したことで、ジャンプ台は当然のごとく大破した。その爆発はなかなかに凄まじかったからな。一瞬にして周囲は炎と煙に包まれたわけだけど、スオウのことよりも「アイツラなんてことを」と思った。


 なにせジャンプ台でコースを短縮できなかったら一位のやつに追いつくのは難しい。きっとあのタイミングで突っ込んで来たやつは一位のチームのやつとか? まあ完全にそうとは言えないが……後続を妨害するには良い判断だった。


 このままだと先にこのジャンプ台を使って飛んだであろう一位の奴が独走してゴールしてしまう。ここままで頑張ってきて、そんな事許せるはずがない。そんな中、爆発に巻き込まれて、変な方向に押されてたわけだが……そんな中、きらめく風が見えた。アレは間違いなくスオウのやつの風。


 あいつは風を使ってこの爆発の勢いを利用する気だとすぐに思った。でもそれなら……俺だって……スオウは風だから色々とやれると言ってたが、爆発の主的なエネルギーはそれこそ炎だろう。だから俺も炎を出した。


 俺にはスオウのように風と友だちになる? みたいな感覚はわからん。だからこそ、俺色に染める。この全ての炎を飲み込む気持ちで炎を出して、それをエンジンを回転させて取り込んで、マグナムった。


 まあつまりはなんかうまく行ったのだ。けど今はピンチだ。なにせ予想以上に勢いがついて飛んでる。このままではどこまで飛ぶかわからん。そして、どうやって着地したらいいのか……地面に落ちる直前に爆発でも起こして強制的に勢いを殺すか……それしか無いような気がする。

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