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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1898/2700

1898 前に進むためのXの問い編 271

一体今のは? そう思いながら、僕はなるべく気づかれないようにヴァレル・ワンを走らせてる。そこらのヴァレル・ワンが爆音とか、破壊音とか出しまくってるおかけで、僕のヴァレル・ワンは相対的に静かになってると思う。


 まあそれでも、完全に姿を消せるみたいな装備はしてない。だから何人かに気づかれるのは仕方ない。でもここはトップテンの中でも三位以下が団子状態になってるから、自分だけにヘイトが向く……なんてことにはならないだろう。なにせ狙う奴等はいっぱいいる。確かに僕は倒しやすいかもしれない。


 でも僕の操縦技術はきっとこれまででわかってるはずだ。まあ実際は操縦技術というか、それもあるが、風を使って限界まで軽くしたヴァレル・ワンを無理矢理動かしてるだけだけどね。でもそれでも、他の奴等にはきっと真似できない挙動を僕のヴァレル・ワンはしてるだろう。


 それをわかってれば、僕を妨害するのに意味なんてない……とわかってくれると嬉しい。実際、意味ないなんてないから……その思いは儚いけどね。ちゃんと僕のことに気づいた奴等が銃弾やミサイルを向けてくる。


 けど一歩遅かったな。さり気なくやりあってる奴等を遠目に静かに移動してたから、そのまま山に僕も入ってやった。ここなら木々が邪魔して他のプレイヤーはそんなにスピードを出せない。けど僕はここでもトップスピードを維持したまま駆け上がれる。そしてジャンプ台を使えば、再び一位に返り咲くことだって出来るはず!!


 僕は木々を使って向かってきてたミサイルをやり過ごして、銃弾は無視した。あとから追いすがってくるかどうかは知らないが、無駄なことはやめたほうがいいと思う。この山の中で僕に追いつくのはなかなか厳しいだろうから、同じようにもたもたしてるやつを狙ったほうがいい。まあちゃとした正規のコースならちゃんと道として整備されてるから、まともに走れる。まともに走れるわけだけど、その道の先にはジャンプ台はないんだよね。


 なにせ普通に山越えのコースだからね。僕はそもそも山越えを目指してないのだ。目指すのはジャンプ台。だからもとから道なんてなくていいの精神だ。それに僕の場合は、こういう障害物が多い場所でも、ほぼ直線と同じスピードで走れる。木々が乱立する森の中……危なくてもまるで風が森の中を流れるかのように、僕のヴァレル・ワンは進んでる。後ろから追いすがろうとしてた奴等は既に見えない。


「更に風の密度を濃くして風帝武装まで持っていきたいな」


 風をまとって操ってる関係上、風がより高密度に成ればなるほどに、その制御能力も上がっていくと思うんだよね。いまでも十分ではあるが……でもこれだと直線ではエンジンを複数機積んでるヴァレル・ワンには勝てないんだよね。


 だからこそ、やっぱり風に頼るしかないわけだけど……


「いや、雷帝って選択肢も……」


 なくはない。実際、雷帝武装のほうが直線は速いしね。制御のしやすさなら圧倒的に風だが……一度きり……それに切り札と考えるなら、それもありかもしれない。一応御札は補充して持ってきてる。


 でも本当に一回きりなんだよね。それにヴァレル・ワンの大きさでは風帝武装となるほどにまでまだ風をまとめられてない。それなのに御札を使ったからと言って、雷撃を雷帝武装までまとめられるかというと……自信はない。


 僕が一番得意なのが風なんだ。それで出来ないのが、他の属性で出来るか? とね。


(ここで風帝武装まで行けたらそのまま風で行こう。もしも無理だったなら、一か八か、雷にかけてみようかな)


 そう判断して僕は山を登っていく。

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