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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1895/2707

1895 前に進むためのXの問い編 268

僕は草むらの中で機体のメンテナンスを行う。頑張って急いでるが、一体どれだけ抜かされるのか……なかなかにヒヤヒヤだ。一応まだ一位なんだけどね。一体どれだけのプレイヤーが妨害に明け暮れてるのか……こうやって落ち着いてるとそれを感じる。


 


(もしかしてだけど、下位に落ちてる奴らほとんど、もう妨害目的以外で動いてないんじゃ……)


 その可能性はあるし、もっと言うなら下位だけじゃなく、中位くらいの順位の奴らでさえも妨害の方に動いてるかもしれない。だってこのレースで報奨がもらえるのって、50位くらいまでだった。でも上位20とそれ以下ではなかなか報奨のランクも違う。更にいうとトップテンとそれ以下でもぜんぜん違うし、トップスリーになると更にね。


 そして50以下は参加賞だ。つまりは駅前で配られてるティッシュくらいの価値しかないものだからね。


 それなら自分のチームの奴の順位をなるべく押し上げるか、それか知り合いを助けるか……とかになってしまうのかもしれない。もっと参加できる数を絞って……それこそ予選とかをして、本戦での決勝戦!! とかならみんなきっとレースに臨む意識も違ったと思う。


 みんなちゃんとレースするぞ!! っていうね。そういう意識になったと思うんだ。けど今回のこのヴァレル・ワンのレースはどっちかというと皆初めてだから、お祭り感が強い。レースでもう順位が狙えないのなら、楽しむ方へと切り替えようって感じのプレイヤーがたくさん出てるのかも。


 実際、レースなんて気にせずに思いっきり武装を放つとかしたほうが気楽で面白いのかもしれない。まあガチのレースはそれはそれで面白みもあるだろうけど、それが出来るのは確かに上位陣だけだよね。


 下位まで行くと、レースを真面目にやる意味ってやつがないし。それを考えてなかったテア・レス・テレスの落ち度である。でも会長のやつがこの状況を想定してなかったとは思えないけど……


「まあけど、ありがたいか……」


 抜かれないのはね。僕のヴァレル・ワンは紙装甲だから実際、簡単に外装が外れる。てかめっちゃ外装自体が軽い。それを外して、内部のフレームにアクセスして、細かいパーツを新しいものに変えていく。ネジとか、ナットとかを締め直してるだけだけどね。


 なにせコアなパーツはほぼ替えなんてないし、このレースの為に慣らしてるからね。ここで新品がたとえあったとしても壊れてない限り替えることはない。まあそもそも替えのパーツなんてないけど。


 ぼくがこうやって機体のメンテをしてる間、実際十位くらいまでは落ちるかな? とか覚悟してた。そして一個順位が落ちるたびに胃がキリキリするんだろうなってさ。でもなんということだろうか、外装をもどして、再び乗り込むまでに落ちた順位は2つだけだった。つまりは僕は今は三位である。


 けど……三位なら全然だろう。全然大丈夫。むしろ、いまメンテ出来たのはとてもでかい。エンジンを再び掛けて、静かだけど伝わる振動にヴァレル・ワンが喜んでるのがわかる。だから計器とかついてるところを僕は一撫でしてこういった――


「さあ、いこう!!」


 僕はそう言って再び発進する。

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