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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1892/2701

1892 前に進むためのXの問い編 265

水柱を使ってどんどんと上に上がる。急いで妨害しようとしてきてるが、水柱を螺旋状に上がってる僕には当たらない。溜めに溜めたから勢いもすごくて、そして柱自体もいつもよりも太くなってる。


 そして一番はやっぱりその高さ。溜めたお陰で、何時もの水柱より高くその背を伸ばしてる。だからこそ、更に飛距離を稼げるはずだ。僕は狙いすました方向へと水柱から飛び出る。風をあつめてそれに乗ってこの沼地の先を目指す。


 けど、流石に何度も何度も頭上を取られるのは他のプレイヤーにとっても屈辱なんだろう。彼らは一斉にその武装を向けてきた。直接攻撃を当てようとしてくる奴らも居るけど、なんかめっちゃ目の前に弾幕を撒く奴らがいる。


 しかもそいつら、大量のミサイルを僕に当てようとするんじゃなく、互いに放ったミサイルを互いにあててる。しかも僕が向けてる進路上でだ。


 僕は勢いよく水柱から飛び出してて、風を使ってその加速は勢いに乗ってる。多少の爆発や爆風程度、こっちの勢いで突き抜けられるはず……けど向こうもお互いのミサイルをぶつけまくって爆発を連鎖的に大きくしてる。そのせいだろう。流石にまずいと思った。


 真っ直ぐ進むはずだったけど、流石にあの中に突っ込むのはやばい。なにせ僕のウァレル・ワンは紙装甲だ。でもそんなに舵を切れるわけもない。本当ならちゃんとミサイルを見て、そしてどこが薄いのか……それを理解してどっちに行くかを決めた方がいい。でも既に爆発は始まってて、爆煙は周囲に流れてる。そのせいで視界が悪い。


(ここで機体を下に向けたらもう降りるしかなくなるからな……)


 せっかく稼いだ高さも勢いも下に行ったら意味がなくなる。だから一番安全な下に行く……なんて選択肢はない。これ以上上に飛ぶ……のは厳しい。なら左右に避けるってことになる。けどどっちが薄いかわかんない。


 流石にこれだけ爆煙が蔓延してると視界が遮られてしまって困る。僕の目は見えないものまで見えるような目ではない。僕の目はあくまでも見えるものがよりはっきりくっきりと見えるようになる目なのである。


 実際、どっちか弾幕が薄い方……とか思ってるが、きっと誤差の範囲でしかない。積んでるミサイル全部使う勢いだし……だからどっちに避けたとしても厳しいとは思う。でも、まっすぐは無理だ。きっと機体が耐えられない。だからどっちかに避けるしかない。


「こうなったら……」


 僕は自分を信じて機体を曲げた。

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