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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1884/2744

1884 前に進むためのXの問い編 257

無駄だと言われたけど、僕はとんだ。風をあつめてウァレル・ワンを飛ばすが、実際そのスピードはそんなにない。なにせもとが30キロくらいに落とされてたからね。勢いがないと、そんなものだ。僕を囲んでたプレイヤーたちはこっちを観つつ、僕を逃さないように走ってる。でもその前にはでっかい岩がある。そびえ立つような岩だ。あれを避けて左右に分かれるだろう。僕はと言うと、それに突っ込んでる。


 このままぶつかってウァレル・ワンを大破させてリタイア……なんて馬鹿なことをするきはない。僕は諦めてなんかないからね。でも全く避ける素振りもない僕に対して、僕を囲んでたプレイヤーたちはそう思ってても不思議ではない。


 あいつはもう諦めたんだなって……そう思ってくれればある意味でいい。だってそれは油断だから。まあ実際、油断なくこっちを観てるのが僕の目では見えるけどね。いや、一人はなんかヘラヘラしてるから、このまま僕がこの大岩にぶつかって大破すると思ってそうではある。


(――となると狙うはあそこだな)


 警戒してるやつは予想外のことが起こってもすぐに立ち直って対応してくるだろう。それは困る。でも油断してるやつなら、その対応にだって数秒のラグがあるはずだ。たった数秒、されど数秒……それで出し抜けるかどうかって決まると思う。


 僕は岩に先端がぶつかる直前で機体を傾けて、更に風をあつめて、側面を滑るように走る。螺旋を描いて上を目指す。その過程で加速していって、頂点くらいから一気に飛び出した。今度は勢いがあるからかなりスピードのあるジャンプができた。


 奴らは急いで追いかけてくるけど……こっちは空である。そして奴らは地上。そしてここは岩礁地帯。完全にこっちが有利だね。それに僕はちゃんと抜け目なく、油断してたやつが分かれた方へと飛んだからね。大きな岩を挟んで左右に分かれるしかなかった。そこをついた。狙い通りに、油断してたやつが一番先頭にいるわけだけど、そいつが足引っ張ってくれてるよ。


 岩礁地帯をスピード出して進むって大変だからね。どうしたってスピードを出しにくい。けど……やっぱりだけど、空から見るとよく分かる。結構こっちを狙ってる奴らがいる。僕を囲んでた奴らがミスったとき、それか出し抜かれたときの保険なんだろう。こっちに向かってきてる。


 けど……


「追いつかせないといいだけだよな!!」


 そういうこと。

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