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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1882/2745

1882 前に進むためのXの問い編 255

(面倒な)


 僕の前と後ろ、そこにウァレル・ワンがついてはしってる。派手に攻撃してくるよりもはっきり言ってこういうののほうが厄介だ。なにせなにかされてる訳じゃない。いやはっきり妨害には違いないんだけどね。


「こんなことしてどうなる? 僕を妨害したって、後ろの方では別の上位者達だって妨害されてるから、いつまでもこの距離感で走れるものじゃないと思うけど?」


 実際のところ、妨害を受けてるのは僕だけじゃない。たしかに一番狙われてるのは僕だ。なにせ一位だからね。一位が一番狙われるのは当然だろう。なんてったって一位。一番狙うべき順位であるのは確実だ。


 でも全てのプレイヤーが僕を狙えるわけじゃない。だいたい視界に入ってないと何もできないからね。僕の場所を確かめて待ってる奴らもこれからたくさん出てくるだろうが、僕の後ろにつけてる奴らだって蹴落とす対象だろう。


 だって僕をもしも万が一蹴落とせたとして、確実に上がる順位は一つである。これが二位のやつなら繰り上がって一位だからめっちゃいいと思う。けど、こうやって妨害してくる奴らが全部、今二位の奴らの関係者ってわけじゃないだろう。


 まあ誰もが「あいつだけには一位を取らせたくない」っていう共通概念を持ってる可能性はなくはないけどね。だって僕はかなり嫌われてるからね。そうなると結構困る。ただ僕を潰すためだけにまとまられると……ね。そんなの理不尽じゃん。


「あんたを抑えることで上位陣を混戦させたら、レースは盛り上がるし、激しくぶつかり合ってくれたら、一斉に潰れるってシナリオだってある。なにせレースは最後まで何が起きるかわかんないからな。こうやってあんたのスピードを抑えてるだけでも、価値はあるんだよ」


「ふーん」


 なるほど、無茶はしないと……それは本当に厄介だな。トリガーハッピーしてくる奴らのほうがまだやりやすい。なにせハッピーしてる奴らはハッピーしてるから隙きも多い。けど今僕の回りを囲んでるのは僕を取り囲むことだけに全力を出してる。逐一僕を観察して、斜めとかをつこうとしも無理なくらいの距離感を維持してる。普通のウァレル・ワンなら無理やり突っ込めばこじ開けられそうではある。


 でもコイツラは僕がぶつかってこないとわかってる。だからこそ、機体がぎりぎり通れないくらいの隙間を開けてる。でもその隙間を行くと絶対にぶつかる。こうなるとできることは限られてる。前後左右が無理なら……


(上しかないよな)


 でもその可能性くらい考えてそうなんだよね。僕は今まで何回かレース中に飛んでるからね。考えてないとは思えない。けど、このままスピードを抑えられて、しかもコースまで前のやつに合わせて走らないと行けない状況はまずい。いくら妨害されてるのが僕だけじゃないって言っても、これでは後続にすぐに追いつかれるよ。


 今までのアドバンテージをそう安々となくしてたまるか!!

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