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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1871/2706

1871 前に進む為のXの問い編 244

湖を抜けると再び森に入った。なんかとても優遇されてる気がしてしまうな。いや、テア・レス・テレスにはそんな気はないと思うし、会長だってそんなことはしないと思ってる。たまたま僕が作ったこのヴァレル・ワンが丁度今のコースにマッチしてる……ってだけだ。誰も意図なんて無かっただろう。


 でも湖では、他のプレイヤーのヴァレル・ワンはちょっと沈んでスピード落とすし、森ではそんなにスピードを出すことはこれまた出来ないだろう。まあその武装を使って森を炎上させるのならって手もある。それか燃やすんじゃ無くバッサバサと木を切り倒すとかね。


 出来なくもないとは思う。けど日本人が今は比較的多いプレイヤーの皆さんがそれをやるのか……って気はする。勿論ある程度はゲームだし皆割り切れる。けどこの世界に思い入れがある人達はとても多いからね。そういう人達ほど、無闇矢鱈に自然を破壊しようとしないような。


 けど切り倒すのなら自分の進行方向だけで良いから、そこまで気にすることでも無いか。それに一回……いや一週目でそれをやれば、二週目、三週目で楽にはなる。でもそれをやると、後続も楽になっちゃうが……それもまた悩ましい問題だよね。僕的には森のままでいてくれた方が嬉しい。


 なにせ複雑な運転が有利だからな。普通は誰しもがスピードを求めるはずで、勝負はきっと直線だ!! っておもって機体を組んでると思うんだ。


(まあ僕もそうだったんだけど……)


 僕だって速さを実は追い求めていた。このヴァレル・ワンだって複数エンジンを積む案はあった。けど却下したんだよね。だってなるべく軽くして風の力を最大限に使う感じで行きたかったからだ。


 それにその時はまだ十分直線でも勝負できると思ってた。けど本当に直線特化した機体にはどうやら勝てないらしい……と言うことがアギトとの勝負でわかった。そしてこの機体の本当の強み……それはやっぱりこう言う複雑な場所をスピードを落とさずに駆け抜けられると言うことに納得したね。


「ここで一気に突き放す!」


 なるべく楽をして勝ちたい。テア・レス・テレス……はどうでも良いが、会長のためにも盛り上げてやりたくもあるが、僕にはそんな余裕は無い。確実に勝つためには、こう言う場所でマージンを稼ぐ必要があるのだ。それに二週目に入ると、もしかしたら最後尾とかの奴等の尻が見えてきたりするかもしれない。


「いや、そもそもが待ち構えてるかも……」


 もうトップに食い込むことが難しいと思った奴等はどう考えても上位の妨害をしてくるだろう。そいつらはレースの順位なんてどうでも良いから、その武装をフルに使ってくるはずだ。そしてその標的に一番なるのは……何と言ってもトップの奴だろう。つまり今は僕である。


 このレース、本当に一筋縄では行かないようになってるよ。

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