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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1869/2708

1869 前に進む為のXの問い編 242

気持ちの良い走りが出来た。キラキラと太陽の光を反射する水面に波紋を伝えながら、水中の生き物と一緒に踊るように走る。ここはもしかしたら通らなくても良いかもしれなくなるが、それでもなんかまたここを走りたい……と思わせるくらいには良い場所だったと言える。


 とにかく単純に走ってて楽しい……というか気持ちいい。それが一番大きかった。それになんか単純に後続との距離を離せた。何故かはわかんない。僕のヴァレル・ワンはまっすぐに進むよりも、複雑な場所を進む方が得意だったはずで、実際この湖ではほぼまっすぐにしか走ってない。だからこそ、引き離すのは無理だろう……と思ってたんだけど、なんかグングンと距離が開いた。最初は何か狙いがあるのか? とか思ったんだけど、なんか追いついてこない。これはおかしいだろう。


 だってまだ一週目だとしても、なるべく先頭とは距離を離したくないはずだ。だってそうしておかないといざ抜こうとしたときに距離が離れすぎてると手遅れになるからだ。だから抜きはしなくても、追いかけてくるはずだ。てもなんか僕たちの間には距離が出来てる。このままなら、僕が独走できそうな……そんな気がする。


 なんで彼らはそのご立派なエンジンを吹かさないのか……いやふかしてるのかもしれない。それでも追いつけない? いやいや、そんなわけは無い。だって僕はアギトに直線で一瞬で追い抜かれた。色々とチューニングして僕のエンジンだって、元よりも出力はアップしてるのは確かだ。けど瞬間的なスピードで言うと、複数のエンジンを積んでそれを同時にふかした方が遙かに早い……と言うのは実証されてる。


 なのに僕は徐々に距離をつけてきてる。おかしい……ここで普通に走れるのは皆同じでは無いのか? もしかしたらこの湖、実はトップにだけ知らず知らずにバフがかかる……とか起きてる? それならまあ、納得できるんだけど……でもそんなことをするだろうかって感じだよね。だってテア・レス・テレス側からしたらレースを盛り上げたい筈だ。そうなると抜きつ抜かれつって奴が一番盛り上がるはずだから、下手にトップを優遇して独走状態になんか入ったら、ハラハラドキドキって奴がなくなって観客からは飽きられる。


 そう言うのは避けたいと思うんだが……でも事実として、僕と二位以下の差は広がっている。僕はチラチラと後方を確認しながら有ることに気づいた。それは僕のヴァレル・ワンとそのほかのヴァレル・ワンとの水面との位置関係だ。僕のヴァレル・ワンは水面に付いてない。ちゃんと地面を走るときのように水面から数センチ浮いてる。


 けど後ろの機体はどうだろうか? どうやら水面に触れてるように見える。もしかしたらこれが僕と彼らの差になってる可能性はある。なにせ抵抗って奴はなかなかに馬鹿に出来ない。それこそレースという中では尚更だ。いかに抵抗を少なくするか……それを技術者達は苦心する物では無いだろうか?


 つまりは彼らには水の抵抗が発生してて、僕にはそれがない。


「けど、なんで沈んでるんだ?」


 そこら辺良くわかんないね。地面と同じように走ってるだけなら、水に当たるなんて事はないと思うんだけど……地面と水では何か違って、ヴァレル・ワンの浮力的な物が上手く形成されてない? 僕はそもそもが風を使ってるからね。だから僕のヴァレル・ワンは沈まないのかもしれない。普通に走ってただけなんだが……差が開いて僕はラッキーと思うことにした。

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