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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1868/2748

1868 前に進む為のXの問い編 241

結局何も無いまま、草原は抜けた。草原の先は湖だった。でっかい湖だ。海と間違うくらいにでっかい湖で、対岸が見えないくらいにはデカい。きっとこの湖はここら一帯、いやこのテア・レス・テレスのエリア全部を支えるくらいの水があるのかもしれない。野生動物とか集まってきてそうだよね。このLROの世界なら野生動物だけじゃ無く、もちろんだけどモンスターとかもやってきそうだ。てか、これだけデカいのなら、この湖の中に……と言うのは十分あり得る。


 水中のモンスターって総じて厄介だからね。出来ることなら、素通りさせて欲しい。ウンディーネとかなら問題ないだろうが、他の種族はちゃんと水泳のスキルが無いと自由自在に水中で動く……なんてのは出来ない。


 でもきっと僕たちが一番初めにここを走ってるはずだ。と言うことは、もしもこの湖に何かがいたとしても、見逃してもらえる可能性は高いと思う。これから沢山のヴァレル・ワンがここを通るだろうが、一番最初の僕たちに対してはもしかしたら気づかない可能性だってあるだろう。なにせ僕たちは先頭集団だけあってそんなに数はいないし。けど僕たちの後はまだまだいるわけで……


(騒音問題だって、ある程度我慢してから、訴えるものだしね)


 うんうん、そのある程度に僕たちはまずは入るだろう。勿論、モンスターがそんな気を遣えば……だけど。実際、プレイヤーを認識した時点で襲いかかってくるモンスターが大半とは思うけどさ、本当に最初だから気づかれない可能性もあると思う。水の中では僕の風のレーダーは使えない。


 だから実際の所、このデカい湖にモンスターが居るのかどうかさえわかんない。けど、この世界な訳で、居ないと楽観的に考えるよりは、居ると仮定して走る方がもしも襲われたとしても、対処しやすいと思う。だからその心づもりでいる。


 ヴァレル・ワンは地面から数センチ浮いて走ってるから、湖の上でも走ることが出来る。そしてこの天気で湖の上を走るって、絶対にリアルでは出来ない事で……めっちゃ気持ちいい。体に感じる風は一番前にいるからか、めっちゃ気持ちよく感じるし、レスティアはとても気候も穏やかで過ごしやすい。そこにこの湖の上という特殊な状況。


 湖の上だからか、風の温度も下がってるのか、めっちゃ気持ちいい。ヴァレル・ワンが走ると水柱が立ってるわけだけど、それも気持ちよさに貢献してるよね。まあこっちは癒やされるという気持ちよさじゃなくて、楽しいって部分が刺激される。癒やされて、更に楽しくもある……素晴らしい湖だよ。


 本当にここに何も居ないのなら、癒やしポイントとして、頻繁に来るかもしれない。お気に入りスポットにしたいくらいだ。そんなことを思ってると、なにか水面から出てる。敵か? とか思ったけど、なんか違う。僕のヴァレル・ワンに併走するように、その尾びれは見える。サメ? いや、ここは湖だけど……でもLROなら湖にサメが生息しててもおかしくは無い。


 まあけど、襲ってくるって訳では無いらしい。イルカ的な動物だろうか? これだけデカい湖だ。イルカ的な動物が居てもやっぱりおかしくないだろう。なんだか、ここを進むこの瞬間は、レースのことを忘れそうだ。


 だって僕の前には本当に誰も居ないわけで、視界に広がる湖と空は、何処までも続いてる様にさえ見えるほどだ。

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