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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1866/2707

1866 前に進む為のXの問い編 239

トップに躍り出た。集団でのトップとかでは無くて、このレースでの事実上のトップである。なかなかに大変だったけど、一週目でトップに出れたのは大きい。勿論これを維持するのが大変ではある。なにせまだ二週有るしね。


 これから何が起きるか……ゴールするまで何が起きるかなんてわからないからな。それにいざとなれば、誰しもがなりふり構わずに、その装備を使ってくるだろう。まだ誰もが二周有るから――という思いから様子見をしてるに過ぎないよね。


 でも僕的にはその心理を利用して、ここで距離を開けておきたいところではある。マージンがあれば何かが起きてもそのマージンのおかげでなんとかなる――かもしれない。だからなるべくここから二位以下に差をつけておきたいところだ。けど……アギトのヴァレル・ワンとの走りでもわかったけど、単純にエンジンを多く積んでる奴とかの方がまっすぐに走るだけなら速いんだよね。


 しかもここ草原である。障害物なんてあんまり無い。突っ込んできてくれるモンスターもいないみたいだ。


 まあ複雑な地形ばかりな訳はそれはないだろう。だってやっぱりレースである以上、スピード勝負って燃える物だ。そういうわかりやすい場所って奴は必要だからな。ここはきっとそういう場所なんだと思う。実際、いくつかのチェックポイントを僕は飛ばしてるわけだし、もしかしたら複雑な地形の場所もあったのかもしれない。


 まあけど一気に追いつけてこうやって一位になれてるわけだし、文句は無い。どんな状況だって、どうにかして乗り切る……それしかないんだからな。


 それにこいつらは僕がトップになったからって、きっと強引にトップを取りに来る……なんて事は多分しない。なるべくつかず離れずをキープしようとしてくる。てか今が既にそうだ。本当ならトップが激しく入れ替わるようなレースが盛り上がるんだと思うが……まだ一週目だから後方の奴等にも焦りは無い。ただ僕の後ろについて走って、そしてその時が来たら抜き去る――そういう考えなのは明白だ。


(あの山のジャンプ台をもう一回使えば一気に引き離せそうだよね)


 あれは使える。そして多分だけど、僕と同じようなことは他の奴には出来ないんじゃないだろうか? だって僕ほどにヴァレル・ワンを軽量化してる奴はきっといないだろう。僕以外にも風とかを使うプレイヤーはいるとは思うが、僕ほどに自由自在に風を操れる奴もいないと自負してる。そしてそれが噛み合った結果があの大ジャンプな訳で……誰にでも出来ることじゃない。だから二週目でアレを使ってこいつらを一気に引き離す……というのは出来そうな気はする。


(けど、それだけじゃ弱いか)


 一つしかそういう切り札的なギミックを知らないのは……ね。なんか不安だ。それに実際の所、他の奴等も出来ないとは限らない。二週目で大勢の目にさらすのもどうかと思う。実際最初に使ったときは観られてたのかどうかわかんないよね。


 微妙な順位だったし、このレースの映像はテア・レス・テレスが流してるわけだけど、全ての映像を流してる訳ではあるが、勿論テア・レス・テレスだって盛り上げる為に派手なレースの場面を優先的に流してるはずだ。


 あのとき、僕は山を一人で走ってたわけで、なんの派手さもなかったから注目されてた……とは思えない。けど、今僕はトップだ。一位は……というかトップ集団はきっと常に映像に出てると思う。


 そんな中あれを使うとね……大注目されるし、二週目でやったら三週目にその対策をされる可能性もある。でも使えるものは全部使いたいというか……そもそもが……


(あんなジャンプ台なくても僕なら同じ事が出来るんじゃないか?)


 それはある意味で他の奴等の虚を突くことになるような気がしなくも無い。試す価値はある。けどその前に一週目で更に使えそうなものがないかを探さないとな。

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