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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1855/2701

1855 前に進む為のXの問い編 228

一体アギトの奴はどうやってあの窮地を乗り越えるのか……興味あるけど、あのジェットエンジンを使ったら案外早く追いつかれるかもしれない。それに結局は一位になれるのはたった一人。戦うことになるのかもしれないし、このまま終わるかもしれないってのも、勝負の怖さみたいな物だと思おう。


 まあ僕的にはアギトの奴はあんな場所で終わるようなやつではないと思ってるけどね。とりあえず坂道を上がりきると、草原が広がってた。のどかな場所で風車と羊が見える。ここはかなり走りやすそうだな。羊には気をつけた方が良いと思うけど、のどかに動いてる羊はわざわざうるさい音を立ててるヴァレル・ワンに近づいてこようとはしないだろう。


 一応確かこの場所には角兎的なモンスターも出たと思う。そっちはその角を向けて突進してくるかもしれない。普通ならシールドで防げると思うが、僕のヴァレル・ワンはシールドが無いからね。下手したら風穴が……いや穴は沢山開いてるけど、一応色々とバランスを計算して今の穴は開けてる。


 それこそ風の通り道とか色々と考えてね。どうしたら風がスムーズに通ってこのヴァレル・ワン全体へと行き渡らせることが出来るのか考えたんだ。


 なにせ僕の切り札では風でこのヴァレル・ワンを操縦してる。その正確さのためにもヴァレル・ワン全体にくまなく風を行き渡らせることが必要だったのだ。そうやって苦労して良い感じにしてるわけで、角兎の一発で穴でも開いたら……いやカバーできる。でも効率的には少しは落ちるじゃん。まあ突っ込んでくることが無いことを願ってよう。


 そんなことを思ってると……とかなるんだけど……実際の所をいうと大丈夫だった。てか風を周囲に展開してやれば、センサー的になるからね。草の中に混じってる角兎は歩いてても見つけづらい。それがヴァレル・ワンに乗って高速で移動してるとなると尚更だ。


 けど風を周囲に展開しておけば、そんな角兎を見つけること何てたやすい。だから近くにいるとわかれば、そこからちょっと離れればいい。エンジンの方の出力を上げて、そして風を後押しに僕はどんどとスピードを上げた。


 そして前にいくつかのヴァレル・ワンが見えて来た。けどおかしい……なにがおかしいって、前のヴァレル・ワンがこっちに向かってきてるのだ。それってつまり逆走である。まあ逆走が禁止されてるかって言うと……禁止されてるね。流石に危ないしね。危ないなんて今更だけどさ。でもわざわざ好き好んで逆走なんてしないだろう。


 なにせ逆走して通ったチェックポイントのセンサーに反応があると失格だ。ヴァレル・ワンは移動速度が速いし、コースにはモンスターが居ることも想定してあるからか、チェックポイントには余裕がもってあるんだろう。


 そしてこの場面で前の奴等が逆走してくる理由とは……まあモンスターだろうね。向かってくるヴァレル・ワンの後ろからなんかでっかい白いもこもこしたのが見える。なにあれ? 羊が丸まって転がってるのか? でも……それにしてはデカい。建物三階分くらいの高さがあるぞ。確かにアレは逃げるね。

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