1853 前に進む為のXの問い編 226
僕は大きくヴァレル・ワンを飛ばして、泥人間達の頭上を越えることで、奴等を回避した。どうしてこいつらがこんなにいっぱい発生してたのか……そんなのとかは全くわかんないが、どうでも良い事だ。
もしかしたらテア・レス・テレスがレースを盛り上げる為に用意してたのかもしれないからね。そんな事を思ってると、ようやくアギトの奴の背が見えてきた。アギトはなんか四台のヴァレル・ワンとバトルってる用だ。
しかもこれが四対一の構図のように見える。四台が連携してるように見えるからね。一体アギトの奴はどんな恨みを買うような事をやったのか。僕だってかなり恨みを買ってるが、今の所まだ個人を狙われては無い。きっと誰もがまだコースを把握してる状況だからって思ってたんだけど……アギトの状況を見るに、そうでも無いのかもしれない。それともアギトにちょっかい出してる奴等はレースなんてどうでも良くて、元からあれが目的だったのかもしれない。
(さて……どうするか……)
まあどうするか、と考えたところで、僕のヴァレル・ワンには武装は無い。完全なレース仕様だからな。ハッキリ言ってあの中に入っていったところでやれることは無い。沼地から上り坂になって沼地を抜けようとしてるみたいに感じるし、ここでアギト達を交わして次の場所へとスムーズに入りたい所ではある。どうやら沼地の所は別にチェックポイントは無いみたいだし、二週目以降はもしかしたら通らないかもしれない。
本当はバチバチとやり合ってる奴等を素通りしたいところだが、気になるのも事実なんだよね。実際素通りするだけなら、大きく横に逸れれば良い。アギト達は、アギトを囲むように四台の ヴァレル・ワンが走ってて、そいつらがアギトにぶつかったり、進路を妨害したり、そんな事をやってる。
もちろん僕以外の奴等は大体ヴァレル・ワンに武装を積んでるのがデフォルトらしいから、アギトを囲んでる奴等だってそうだ。よくぶつかりに行ってる機体はその機体から丸ノコを出して回転させてる。いやいや、殺傷能力高過ぎだろ! といいたい。
しかもそれが左右にちゃんと付いてる……いや、ヴァレル・ワンは細い機体だから、左右についてるんじゃ無くて、一つの丸ノコが寄せる方向に飛び出す様になってるのかもしれない。なるべく軽くしつつも、攻撃力を持たせる為に一応工夫って奴が見える。更には機体からでっかいハンマーを出してびったんびったんとやってるのとか、なんか機体から火を噴いてるのとかある。
ほんと皆自由にヴァレル・ワンを改造してるね。こうやって観ると、僕のヴァレル・ワンはなんか地味だなって思えてくる。




