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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1842/2704

1842 前に進む為のXの問い編 215

アクセルを踏み込んでスピードを上げて前にいるプレイヤー達を目指す。こっちはそこそこに良いパーツを使ってる。だから追いつくことは難しいわけじゃない……とおもうが、向こうだって何か仕込んでる筈だ。まだ最初だからな。上手くスタートできた前にいるプレイヤー達の中にはそこそこに重装備をしてるヴァレル・ワンも見える。あの集団の中でその搭載してる何かを出したら……先頭集団も一気にどうなるのかわかんない。


 一応それを気にして、あんまり固まるのは止めた方が良いとは思う。海岸沿いだし、横に広がる事だってまだ難しくないし、ヴァレル・ワンはタイヤがある訳じゃないから、最悪海の上だって走ることは出来る。もちろんそんなことをしてる奴等はいないけどね。やっぱり水は機械には天敵だしね。もちろん雨の中だって走ることは普通にあるし、雪の中でも走れるようになってるから波をかぶっても壊れて底止する……何てことはあり得ないが、塩水とか機械に良い訳ない。


 今はレースが始まったばかりだ。皆きっと一着を狙ってる。だからこそ、あんまり機械に悪そうな事はしたくはないだろう。それに一応コースには光がその道筋を示してる。日本人はそこら辺真面目だからね。


 皆それに沿ってる。


(まあ、一週目だからだろうけど)


 実際一週目はコースの確認みたいな物だと思う。なにせコースはぶっつけ本番だったからね。多分色々と事前に仕込まれる事を嫌ったんじゃないだろうか? なにせほぼテア・レス・テレスのエリアの全域を使って行われるレースである。


 いくらテア・レス・テレスがLROで最大の団員数を誇る最大チームだとしても、その数全て強制的に動員できる訳じゃない。それに関東よりもちょっと広いくらいに広大なエリアを持つテア・レス・テレスで今回のレースのコースはその広さを生かしたコースだ。


 全てのコースを監視なんて出来るわけない。一応……ちらっと空みると、何かが飛んでる。


 タンポポの一本一本の房みたいな物だ。それがふわふわと浮いてるのが見える。そしてその先端には普通は種がある。風に乗せてその種を伸ばして子孫を残してるからね。けど、そこには別の物がある。ぬいぐるみである。


 なんか可愛い感じの熊や兎、猫とか虎とか……そんな動物たちがデフォルメされてつるされてる。それらはただこの祭りを盛り上げるというか、花を添えるための物のように見えるが、そうじゃない。だってなんか視線を感じるし。きっとあのぬいぐるみ達を通して監視はしてるんだろう。


 流石に見過ごせない不正とかあって、それを止めることも無くそいつを優勝させてしまったら、それこそテア・レス・テレスの名折れだからね。だから一応監視はされてる。


 でも流石に遠隔で確認すると言っても、全部の場所――なんてのは無理だろう。今はスタート直後だから、参加者達も固まってるから見やすいだろうけど、レースが進むと各地にきっとプレイヤーは散らばることになる。コースは決まってるが参加してる人数は多いし、コースは広い。トップと下位の差が広がれば広がるほどに、テア・レス・テレス側が見なきゃいけない範囲も広くなる。


「どうやってさらに前に躍り出るか……」


 そんな事を考えてると、コースは海岸沿いから内陸の方へと行くようだった。その時に両側が断崖になってる所を進んでさらに広い先に出るみたいな感じになってる。あれはきっと最初の試練だろう。下手したら接触事故を起こすかもしれない。僕から見た前の何台かはスピードをおとしてる。それなら!! 僕はさらにアクセルを踏んでスピードを出した。そして一気に外側から断崖の壁を使ってもたもたしてた前の集団達を追い抜いていく。

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