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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1841/2746

1841 前に進む為のXの問い編 214

レースは始まった。スタート地点は未だにごった返してる。でもいくつかのチームは僕たちや、他のチームがスタートのアーチを無視して発進していったのをみてたからか、真似してどんどんとその集団は横に広がって行ってる。


 すると横についた悪人面した奴がこう言うよ。


「へっ、簡単に進めると思うなよ!!」


 まあ彼は仲間なんだけどね。僕は一位をとる担当。そしてもう一台を託された彼は妨害担当だ。なのでそのヴァレル・ワンは僕の機体よりも二回りくらいデカい。それに大きなコンテナを積んでた。


 そんなの積んでたらもちろんスピードは落ちる。当たり前だろう。だって大体速さを競う時はなるべく軽くしようとする物だ。その方が絶対に良いからね。けどここはゲームの中で、一応リアルでは出来ないような事もできる。


 それは重力魔法的な物だ。それによって荷物の重量を軽くすること自体は出来るんだ。けど空気抵抗は生まれるからね。あんなでかでかとした物が後方に乗ってたら、バランスだってとりづらいし、四角いから空気抵抗だってもろに受ける。


 完全にスピード重視の機体と比べたら、絶対に不利になるだろう。あれで不利にならないのなら、どこも同じように重装備して妨害特化にしそうだしね。でもそう言うのはすくな……くはないが、半々と言った所だ。


 つまりはけっこうなチームが速さを求めるより何やら仕掛けてきそうだって事を念頭に置いておいた方が良い。それに先行してるから大丈夫って事でもないしね。だってこのレースは三周することになる。周回遅れの集団とかが出るかはわからないが、そういうやつらってもうなりふり構わなくなってそうじゃん。


 そうなると、先に回ってきた先頭集団に一矢報いるために……って事が起こりえそうだ。とりあえず注意はしておこう。自分の前にいる奴等だって、それなりにごつい機体はある。きっとろくでもない装備を搭載してるんだろうなって想像は簡単にできる。


 仲間はヴァレル・ワンに積んだコンテナから何かをばらまく。それらに触れた後方のプレイヤー達は、一斉に爆発していく。しかもかなりド派手にね。音も凄い。


「おおーっと! 早速仕掛けてきたプレイヤーがいるようです!! まだスタートして間もないのに、容赦が無い!! スタート地点でもたもたしてた奴等がさらに混乱に陥ってるぞ!!」


 解説の人の声がノリノリで聞える。やっぱりこういうことは普通にやって良いんだね。いや、わかってたけど、それを最初にやるのは勇気がいるじゃん。きっと仲間のあいつもドキドキしてただろう。だってレース前から「やってやる。俺が一番にやってやるんだ」ってブツブツ言いながら、掌に人って字を書いて飲み込んでた。


 小心者なんだよね。まあけど、一仕事はちゃんとやってくれたみたいだ。僕は後方を気にせずに、まずは先頭集団に混ざるためにスピードを上げていく。

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