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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1839/2701

1839 前に進む為のXの問い編 212

『皆! 楽しんでるかぁ!!』


 海岸沿いに集まった無数のヴァレル・ワン。そんな中に……というか皆が見える様に空中に現れたのは会長だ。会長だけじゃ無くて、もう一人、今し方声を上げた人はきっとこのレースの司会進行なんだろう。


 ノリの良い奴等がそれぞれに声を上げてる。けどそんな声はもっと気の利いた……いや、寧ろ気が利いてないのか、ヴァレル・ワンのエンジン音を噴かして反応してる奴らがいる。うるせえうるせえ……僕はと言うと、ただ会長を観てるだけだ。


「ふん、出てきたな会長。このイベントがこれから台無しになるとも知らずに……のんきな顔をしてるがいいさ」


 そんな事を言ってるのは僕の仲間……いや仲間の振りをしてる一応の悪の振りしてるチームメイトである。んなことを言ってるが、別にレースを妨害するわけじゃ無い。僕たちが目指すのあくまでも一着である。レースなんてどうでも良くて、ただ他のプレイヤー達の邪魔をしてこのイベント自体をズタボロにしてテア・レス・テレスのましてや会長の評判を地におとしめる……なんて事は考えてない。


 いや、考えてたけど、それはちょっと酷いんじゃ無いか? って事で中止になった。もうお前等、悪を名乗るの止めた方が良いと思う。どうやらこいつら取り返しが付くことしかしないらしい。ヴァレル・ワンのパーツを沢山のプレイヤーから奪って作ったわけだけど、まあそれも取り返しは付くからね。頑張れば……だけど。


 それに一人……一つのチームには気軽に喧嘩を売れても、テア・レス・テレスはLROの最大勢力だ。そしてこの間、上位連合のチームを破ったことで、名実ともに揺らぐことが無くなった頂点である。


 そんなところにまともに喧嘩を売ったら、それこそLROでの肩身が狭くなる――とかいうみみっちい考えが……一応色々と妥当『テア・レス・テレス』を掲げてるんだけどね。まあけど、楽しみ方は人それぞれだろう。


「さあさあ、ようやく本日のメインディッシュの時間だぜ!! てめえら自慢のマシンはできあがったるかぁ!!」


 司会進行のそんな言葉に応える様に声を上げたりエンジンを吹かしたり、それに満足してさらに彼は続ける。


「かーっうっせえうっせえ!! 今から会長のありがたい言葉があるから、一回てめえ等静かにしてろ!!」


 そういわれるけど、まあこのお祭り気分のテンションな奴等がそれで大人しくするなんてあり得ない。司会進行の奴の前に出てきた会長だけど、なんかさらにアピールするようにエンジン音を噴かす奴等が一杯だ。


 なに? 会長にアピールでもしてるつもりなのだろうか? まあその一番の爆音を響かせてるのが、僕の仲間なんですけどね。こう言うどうでもいいような、それこそ自分にリスク無い場面では率先して悪いこと……というかくだらないことをやる奴等である。


 けど会長が口元に手をやって「しー」と言うと、一気にこの場に静寂が広がった。そんな「しー」なんて声、聞える筈無いのに……でもきっと皆の耳にその会長の声は届いただろう。何やったかわかんないが、それで満足して会長は話し始める。

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