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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1837/2744

1837 前に進む為のXの問い編 210

「えっと……ここは?」


「ここは私の楽屋です。ちょっとだけ小細工して貰いました」


 そういうのはさっきまで何万人という前でステージを披露してた女の子、クリエスタだ。ステージ衣装のままだから、なんかこうやって話してしてるのが不思議な感じ。ステージ上ではその衣装はとてもきらびやかに光って見えた。けど、いまこうやって楽屋でみると、普通……というのもおかしいが、別に光っては居ない。


 薄い青い色のドレスは彼女の体にフィットしてて、腕についた腕輪部分と背中から出てる布がつながってるみたいな……腕を広げると、その部分も広がる。まあけど、ステージ上ではその背中には翼とか映えてたし、もっともっとキラキラとした演出がされてた。


 勿論楽屋でもそんな演出がされてたらびっくりだったけどさ。目の前のクリエスタはニコニコとしてる。その笑顔が、僕が知ってるクリエと重なるような……そんな気がしないでも無い。だからこそ……僕は……


「クリ……エ……なのか?」


 その言葉を聞いた瞬間、クリエスタはくるっと回った。ふわりと流れてくる花のような匂い。どうやらアイドルは汗臭く何てならないらしい。


「そうだったとしたら……どうする?」


「いや、どうもしないけど」


「ええーなにそれに!? 私を取り戻そうとかしないんですか!?」


「取り戻すっていっても……楽しそうにしてるし? 無理矢理やらされてるわけ?」


「それは違うけど……」


「てか、本当にクリエなの?」


 そこの答えをまだ聞いてない。するとクリエスタの奴は何やら頬を膨らませてかわいい顔をよりかわいくしてる。なんだ小悪魔かこいつ? もとから可愛いくせに、そんなあからさまにプクーとさせるとか、あざといぞ。あざといとわかってるのに、それでも可愛いと思ってしまう。男って単純だよね。


「教えません」


「はい?」


「本当はここでネタばらしをするつもりだったけど、気が変わった。そんなスオウには教えないもん」


 なんか言葉遣いが安定しないな。多分だけど、丁寧な言葉は意識的にやってて、本当はもっと幼い口調をしてるんだと思う。


「じゃあ、何のために呼んだんだよ……」


「むむむ……よかった?」


「うん?」


「ステージは良かった?」


「それは……よかったよ」


「ならよし!」


 なんか勝手に一人で満足してるクリエスタ。なんなのもう……てかここまで会話してきたら、僕的にはやっぱりこいつはクリエなのだろうと思ってるんだけど……クリエスタは確定させてくれないらしい。


「スオウに一つだけ教えてあげる」


「なんだ正体?」


「それはスオウのせいで駄目です。ただ、それとは別に一つだけ。会長さんはこの世界に己を刻んでますよ。それは全て、これからのためです。スオウも祝福を持つ一人なんですから、この世界にちゃんと己を刻んでください」


「どういうことだよ?」


「それは祝福を持つ物の役目なんですよ。と言うわけで、刻んでから再び私の前に現れてください。その時、私は全てを話せるでしょう」


 その言葉と共に、周囲が光に包まれていく。いや違う。これは僕が包まれてるんだろう。クリエスタとの邂逅はここまでのようだ。はっきり言って、良くわかんない。良くわかんないが……とりあえずこれだけは言っておこう。


「またな」


 ってね。

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