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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1831 前に進む為のXの問い編 204

「お待たせしました」


 エリアから出ると、すぐにその村だから、合流は早いです。二人はこの村唯一の酒場みたいな所で飲み物を飲んでました。お酒ではないです。


「えっとどうなりましたか?」


 そういうと、テッケンさんとオウラさんは互いにその視線をあわせてます。え? どういうことですか? どっちなんでしょう? 勝ったのか、負けたのか……


「シルクちゃん、これを」


 テッケンさんはその小さな手に何やらアイテムを出しました。それは真っ白な紙ですね。丸まったA4位の紙でしょうか? とても上質そうな紙に見えます。そしてその丸まった状態を維持してるリボンは何やら虹色に色が変わってます。私はその紙がなんなのか鑑定してみます。プレイヤーがとるべきスキルナンバーワンスキルの鑑定です。


 けどどうやらそれで調べても『???』としか出ません。これがエクストラボスである騎士ンズラベーダ(覚醒)を倒した報酬……と言うことでしょうか? でもこれをテッケンさんがもってると言うことは……


「倒したんですね。良かった」


「はは……それはどうだろうね」


「どういうことですか?」


 勝ったからこそ、戦利品があるんだと思いますけど……それ以外にアイテムをがもらえる……何てことがあったでしょうか? そんなにLROは優しくないはずですけど。何かのクエストならまだしも、あそこはダンジョンでした。ダンジョンは明確に勝ち負けで判断してると思います。それが今までの経験です。


 だからこそ、テッケンさんのその手にあるアイテムが勝利の報酬……の筈。


「シルクちゃんがいなくなってから、私たちも頑張りました。ですがあと一歩届かなかったと言うべきでしょう」


「それじゃあ、二人は負けたんですか?」


「いえ、引き分けですね」


「引き分け?」


 そんなの有るの? いえ、確かに騎士ンズラベーダ(覚醒)は会話が出来てました。双方が納得すれば、それもあり得る……のでしょうか? 今までのダンジョンボスは問答無用で襲ってくるタイプしかいませんでしたからね。引き分けなんて物は事実上ありませんでした。勝つか負けるか……生きるか死ぬか……しか有りませんでした。


 でも騎士ンズラベーダ(覚醒)なら……


「あれから私たちの渾身の一撃は届きました。届きましたが、でもそれでも騎士ンズラベーダ(覚醒)を倒すまでは至らなかったのです」


「そうなんですね」


 まさかあと少しに見えたHPは思ったよりもあったと言うことですか。それか体力を残すスキルを保持してたか。少し考えたらそれが有るかもしれない……というのはわかったかもしれません。なにせこっちにはそういうスキル有りますし。そう言うのを敵側が使ってこない……なんて想うのはプレイヤーのエゴです。


「でもそこであいつは言ったんだよ。『ここで終わりにするのは惜しい』ってね」


「ええ、それで再戦を誓いました。そして未発見のダンジョンの場所を教えて貰いました。そこの最深部で再び相まみえよう――と言うことだそうです』


 確かにあの騎士ンズラベーダ(覚醒)は戦闘好きでしたね。楽しく戦闘を出来る私たちを認めてくれたから、ここで倒すのは惜しい……とか思ってくれた――と言うことでしょうか? 報酬は前払い? 今度もっと楽しい戦闘をするためのでしょうか? それなら……ありがたく頂戴してもいいのかもしれないですね。

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