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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1829/2706

1829 前に進む為のXの問い編 202

そのスキルの名は『犠牲の献身』です。それは主に盾役が使うスキルです。主な効果はダメージの集約。つまりはその発動した瞬間にパーティーメンバーが食らったダメージを全て肩代わりする……と言うスキルです。だからこそ、HPを増やしてる盾役にしか使えないスキルでもあります。下手にHP盛々にしてないプレイヤーがこれを使うと、その瞬間にお陀仏ですからね。


 私なんてその典型です。私はそんなにHPを増やすような装備をしてるわけではないです。寧ろ詠唱を補助するような効果が付いてる装備をしてます。後衛なら大体そういう装備をしてる物です。


 だからこそ、騎士ンズラベーダ(覚醒)の攻撃を一手に引き受けたら確実に私は死んでしまうでしょう。でも……もう私の役目はこれしかないと思います。魔法もバフはかけてるし、罠的な魔法は騎士ンズラベーダ(覚醒)には効果がありません。強力な魔法攻撃を持ってるわけでも無いですし……なら、この身を囮にして最後の活路を開く……それが一番良い方法でしょう。


 でもやっぱりそれにはタイミングが重要です。動き回ってる二人としっかりと打ち合わせをする……なんてことはできません。私は今も回復魔法を絶え間なく紡いでるから、そっちに頭のリソースを使ってますからね。


 そしてこれを止めることはできません。それをやったら、今の均衡を崩すことになるし、どっちかが生きてくれてないと、最後の一撃を騎士ンズラベーダ(覚醒)へと入れる事ができなくなってしまいます。


(どこで……)


 そんな事を思ってると、騎士ンズラベーダ(覚醒)が言います。


「これが貴様達の限界かああああああああああああ!!」


 黄金のオーラをまとった騎士ンズラベーダ(覚醒)。そしてその武器が足場に放たれたと同時に、足場が崩れました。その下は真っ赤な溶岩がにたってます。完全にこれで決める気です。これ以上の可能性がないのなら、これ以上私たちと戦う意味もない……そういう事でしょう。オウラさんやテッケンさんは上手く崩れた床を蹴って移動してます。けど、私はそれができる程の運動神経皆無です。でも大丈夫……犠牲の献身は別に目の前にいないといけないわけじゃ無い。流石に遠すぎたら、駄目ですけど、このフィールドはボスエリアだから、そこは大丈夫でしょう。黄金のオーラのおかげか騎士ンズラベーダ(覚醒)の動きが私にも見えます。まあ動いた数秒後なんですけど……それでも、そこから動きを予測するしか有りません。


 まずはテッケンさんにその攻撃をたたき込んでます。私はすぐに回復魔法をテッケンさんにあたえるけど、騎士ンズラベーダ(覚醒)の攻撃を防御したテッケンさんの小手が壊れてました。でも同時に大きく爆発もしてました。あれは仕込んでたとしか思えない。


 そしてそこにオウラさんが瓦礫を器用に足場にして騎士ンズラベーダ(覚醒)の頭上をとってます。でもそれは背中側の腕に防がれる。その隙に、離れたテッケンさんが巨大化させた別の小手を放ちます。まるでロケットパンチです。けどそれを騎士ンズラベーダ(覚醒)は真っ二つに切り裂きました。


 言葉悪いですけど、アホなのですか? でもそれすらも二人はちゃんと考えてみたいです。オウラさんは武器を投げ捨てて、騎士ンズラベーダ(覚醒)へと近づきます。その体にいくつもの武器がぶつかるしきりさかれるけど、それでも組み付く。でもあと少しで手が届きそうだった騎士ンズラベーダ(覚醒)は頭上から無数の剣を振らしました。魔法……ここで? 引き出し多過ぎです。それに巻き込またのはオウラさんだけじゃ無い。オウラさんと連携して動いてたテッケンさんもその範囲に入ってます。二人に無数の剣が突き刺さりその体かふらついて力なく落ちて――


「後は、頼みます」


――私の体が粒子となって消えていく。犠牲の献身――今、ここしか無かったと思います。拳を握り混んだ二人が雄叫びを上げて騎士ンズラベーダ(覚醒)へと迫る。それが私が観た最後の光景です。信じてます。私は二人を……

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