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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1827 前に進む為のXの問い編 200

(どうにかしないと……)


 このままではいつか……いつかこの均衡は最悪の形で崩れるでしょう。テッケンさんもオウラさんも既に全力……いえ、それ以上を出してるはずです。余力なんて無い。なら私がやるしかないです。けど……私に何ができると言うでしょうか? 私は純粋な後衛のスキル構成でしかないです。いきなり今、スキルを組み替えたとして、それは付け焼き刃にしかならないでしょう。


 そんな簡単に通用するような相手ではないです。これが油断とか慢心とか、そんなのがある相手なら、それでも意表を突けたかもしれないです。けど……騎士ンズラベーダ(覚醒)はそんなことを許すような相手じゃ無い。


 それがわかります。なら今の私……今のスキル構成でなにか出来ることはないのか。私の魔法で何か……結界もなにもかも……直接的な影響を与えるような魔法もスキルも騎士ンズラベーダ(覚醒)の前には効果が無いでしょう。


 一応色々とやったんです。けど、どうやらですけど、騎士ンズラベーダ(覚醒)は完全耐性があります。聞いたことないですけど、多分このエリアとここ限定って言う条件、そしてエクストラボスに与えられた特権というか、権能なんでしょう。それでも最初からだったわけじゃないからまだ優しかったのかもしれないです。


 こっちもそうですけど、騎士ンズラベーダ(覚醒)だって余裕あるだけの体力を残してるわけじゃ無い。まあ動きはキレッキレですけどね。プレイヤーならHPが赤くなったら、動きに荒さが出てくる物です。なにせ瀕死状態な訳ですからね。それを再現してるわけです。だから動きに精細さが無くなってきます。だからこそ、HPバーはなるべく黄色くらいに保つのが理想です。オウラさんとテッケンさんだって、なるべくHPバーを赤くしないように気を配ってるし、私もそういう立ち回りをしてます。


 けど、モンスターはそんなの関係なさそうなんですよね。寧ろ最後の灯火よろしく、運動能力が飛躍的に上がったり、窮鼠猫を噛む感じのことが起こります。騎士ンズラベーダ(覚醒)が同じとは言わないけど、奴のパフォーマンスは確実に上がってます。


 そして向こうは瀕死状態でこっちは一応HPは満タン保ってても一切安心できないのが、奴の火力です。元から高かったですけど、今やその一撃一撃が命を刈り取る攻撃なのは確実です。なにせかすっただけでオウラさんやテッケンさんのHPを半分は持って行きます。


「どうした? 避けるだけでは勝てないぞ。貴様達の可能性を見せてみろ!!」


 圧倒的に上に立つ物が言えることを宣ってる騎士ンズラベーダ(覚醒)。でもその通りでもあります。避けるだけでは勝てるわけも無い。後一回、あと一回オウラさんかテッケンさんの渾身の一撃が当たれば、騎士ンズラベーダ(覚醒)でも倒せるはずです。けどかする程度では駄目です。確実に、ぶち当てないと……それには完全にその隙を晒させるしか無いでしょう。オウラさんとテッケンは何やら視線でアイコンタクトをとってるようです。けどそれはきっと騎士ンズラベーダ(覚醒)だって気づいてる。


 このままじゃ、最後の抵抗は失敗に終わる気がします。だからこそ、私が動かないと。でも下手に動くとそれこそ最悪な事態になりかねない。ただ二人の邪魔をするだけ……そんなことになったら目も当てられないです。


 じゃあどうするのか……どうすればいいのか……それを思いつく時間も無いみたいです。

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