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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1825/2706

1825 前に進む為のXの問い編 198

バキッ――


 ひときわ強く、そんな音がしました。それは狂騎士ンズラベーダからです。そしてくの字に曲がるその姿。今までは最後のHPバーになってから微々としか減らなかったそれが一気に減りました。でもそれでも、まだまだありますけどね。八割位は残ってます。けどこれは大きな一歩でしょう。


 狂騎士ンズラベーダの背骨はこれで砕けたはずです。こうなったら一気に戦闘能力は落ちるでしょう。後はもう、袋だたきにするだけ……まさか本当にオウラさんが鯖折りを決めるとは……絶対に難しいと思ったのに――今見えてる光景は狂騎士ンズラベーダが見せてる幻影……とかでは無いです。オウラさんに抱かれて、そのまま狂騎士ンズラベーダは鯖折りにされました。勿論彼女だけの力では無いです。テッケンさんもオウラさんへと伸びる奴の腕を何回も妨害してました。あれが無かったら、他の腕に邪魔されて最後まで拘束することは出来なかったはずです。


 え? 私? 私は……ほら、バフをかけてからは応援してましたから。それに鯖折り出来るまでパワーを上げられたのは私のバフの存在が大きい……大きいと思いたいです。鯖折りに出来るみたいなパワーアップでは無いような気がするけど、きっと役に立ったはずです。


「ふうー」


 オウラさんは一仕事やった後のように大きく息を吐きます。けど油断してるわけでは無いでしょう。なにせまだHPは明らかに残ってます。騎士ンズラベーダは鯖折りになってるけど、死んだわけではないです。今は反応無いですけどね。


 だからここでさらに追い詰めるつもりなのか、オウラさんは狂騎士ンズラベーダを抱きかかえたままジャンプしました。地面を強く蹴って、リアルでは絶対に無理なくらいにジャンプします。そして鯖折り状態の騎士ンズラベーダを大きく頭上よりも上に振って勢いをつけて地面に投げつけます。


 そして地面に転がった狂騎士ンズラベーダにさらに追い打ちをかける様に武器を出して、テッケンさんと二人でスキルの光を宿して力一杯の攻撃を繰り出しました。それで一気に狂騎士ンズラベーダのHPは半分に減りました。やりましたよこれ。いけます!!


 そしてそれでも二人は止まりません。槍の先端に突き刺さったンズラベーダをオウラさんは振り回して再び空中へ投げました。そしてやけにでっかい槍を……ん? 槍? なんか爆弾に見えます。爆弾というか……あれはミサイルでは? っていうか武器? アイテム? そんなのです。あんなのあったですね。


 それを槍を投げるように、投げました。もしかしたらこれで一気に残りのHPも削れるかもしれないです。狂騎士ンズラベーダはまさかここまでラッシュをかけられるとは思ってなかったのかもしれないです。けどそのちょっとの油断が命取りです。私たち……特にオウラさんはその隙を見逃すような人じゃ無い。


 期待を込めてそのミサイルの行方を観てました。そして当たった。この薄暗い洞窟のような空間にミサイルの爆発の明かりが広がって昼間のように明るくなりました。そして狂騎士ンズラベーダのHPは残り二割くらいに減りました。決めることは出来なかったけど、あとちょっと、ここで手を緩めるオウラさんやテッケンさんではありません。既に最後の一押しをしようとテッケンさんが向かってます。


 けど爆発の中にいた狂騎士ンズラベーダは確かにその見た目をボロボロにしてますけど、なんか鯖折り状態では無く、その体を丸めています。まるで何かを貯めてるかのようなその態勢……みんなが何を感じたんでしょう、二人は一気に距離をとります。


「良い勘だ。なかなかの攻撃だったぞ。良い感じに頭が冴えた。この状態まで来たのは久しいぞ」


 そんなことを狂騎士ンズラベーダは……いえ再び表示が変わってますね。騎士ンズラベーダ(覚醒)になってます。なんかとってもイヤな……いえあれが自分に付いたらいいなって思うけど、敵に付いたらこれほど恐ろしい表示はないって奴が付いてます。

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