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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1817/2701

1817 前に進む為のXの問い編 190

「見事!!」


 胸に突き刺さった槍を観て、逆に賞賛の言葉を贈る騎士ンズラベーダ。おかしな人です。人なのかどうかわからないですけど、なんとも変な性格を設定されているものだと思います。こんなに会話できるダンジョンボスっていなかったはずですし。ストーリー上で出会う敵対するキャラクターというのは数多くいます。


 そしてその判断は色々と此方にその行く末が委ねられてる。まあストーリーと言っても、大きな流れ……と言うのが設定されているだけであって、全てのプレイヤーがそれに関われるか……と言えばそうではないです。


 同じようにやっていっても、そして同じ時間をかけたとしても、一人として同じようなストーリーを紡ぐ事が出来ないのが、このLROと言うゲームなのです。でもそれでも不満は聞いた事がないような……いえ、ありましたね。皆が不満に思った事。


 それはスオウ君が全てをリセットしてしまった時です。あの時は流石に沢山のプレイヤーから不満が溢れてました。勿論、あれをしないとLROにとらわれてしまった人達を解放できなかったし、其れ以外に方法だってなかった訳です。一応公式には、スオウ君がリセットをしてこうなって……今のLROになったのです……なんて説明はしてません。けど、大体の人は知ってます。なにせ外にその時の映像は流れてましたし……だから何を今更……な訳ですけど……それでも今までこの世界で紡いできた絆とかなんかが消えたのに絶望した人は結構いたそうです。


 なにせLRO内で恋人作ったり、結婚したりしてた人達がいますからね。そういう人達はいきなり恋人や妻や夫から忘れられたりしてます。そういうのは確かに絶望を受けてもおかしくないです。プレイヤー同士なら、問題なんかなかったんですけど、プレイヤーがNPCと……と言うのはそれなりにあるようです。


 今までのゲームにもそういう結婚システム? ですっけ。そう言うのはあったようですけど、LROはそんな今までのゲームとはリアル感か違います。今までのゲームのそういう結婚は、あくまで恋人とは画面越し……でしかふれあう事は叶いませんでした。でも……LROではちゃんと触れ合えるのです。それはそれは、画面越しとは比べものにならないくらいの思いがあったはずです。なにせLROのNPCの人達はとても生きてない……なんて思えないですからね。リアルで考えたら、いきなり恋人や妻……もしくは夫の記憶から自分が消えて……いえ、その当人の記憶からだけじゃなく、周りからの記憶もなくなるんです。それはとても寂しい事だと思います。


 なんだか変な方向に話が進んだけど、騎士ンズラベーダには明らかに人としての心があるようです。今までの怪物的なボスではなかった事。精霊とかなら、話す事はできましたけど、ダンジョンボスでこんなのは初めてではないでしょうか?


 戦闘を楽しんでる騎士ンズラベーダ。胸に槍を突き刺したオウラさんはその「見事」という言葉ににただ「どうも」とだけ返すだけで、止まりはしません。今度はなんと、オウラさんが攻めて騎士ンズラベーダが防御に回る……なんて構造になりました。凄いです。


 でもそれでもまだまだ騎士ンズラベーダは元気に動いてます。この人数で倒しきる事が可能なのでしょうか? そこでふと思います。こんなに会話して来る相手なら、そしてここがLROなら……もしかしたら倒す……という以外の方法だってあるのでは? と。そう、だってここはLROなんですから。

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