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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1775 前に進む為のXの問い編 148

「案外もろかったようです」


 もろかった――じゃないよ!? 砕かれた宝箱はオブジェクト化してきえていきます。それを止める術は私たちにはありません。オウラさんはとても冷静……と言うかそんなことに意識さえ向けてないけど、これは私にとってはピナへと続くかも知れなかった可能性が潰えた可能性がありますよ。


「なんで……」


 私はそう言ってしまいました。オウラさんが悪意無くやったと分かってても、思わずそんな声が漏れてしまったんです。そして瞼に貯まった涙が落ちる。なんとか耐えようと思ってたのに……最近なんか涙もろい。歳かな?


「す、すみません! そこまでの……いえ、私の考えが足りませんでした。それにもっと慎重に行動するべきでしたね。こうなってはこの命でその罪を――」

「や、止めてください。だ、大丈夫ですから」

「ですが……」


 私の涙を観てオウラさんが慌ててる。こんな強い人でも私の涙程度で慌てちゃうんだ。いや、オウラさんはいい人だから、それを私は知ってます。こんな涙で誰かに謝らせるなんて私は悪い女です。


「本当に大丈夫です。そもそもがここでピクが手に入る確率なんてとても低いんですから。そのくらいちゃんと分かってます」

「でもゼロではなかったよね」

「「…………」」


 テッケンさんは何でそういうことを言うんですかね。私たちがこれで今のを水に流そう……としてるのに再びギクシャクなるようなことを言わないでください。


「おいシステム! 聞いていますか!? もう一度ボスを出しなさい! 再び倒してあげましょう! そして宝箱を出現させるのです!!」


 焦ったオウラさんがそんなことを言い出した。確かにもう一度倒せばまたさっきの宝箱が出てくる可能性はあります。でも全く同じ物か……と言うとどうでしょうか? こう言うゲームの定番として、一番最初にダンジョンをクリアした者には、特別な物が与えられる――というのは定番です。それこそが第一走覇者の特権みたいな物です。だからもう一度同じボスを倒しても、今の宝箱でない可能性はあります。

 いや見た目は同じでも、今私たちが手に入れてるアイテムの一部は絶対に出ない物かも……それにランダム率も変わってる可能性はあります。最初にボスを倒した特権として、いいアイテムが当たる確率が高かった可能性も……いえ、それを考え出すときりが無いですね。


「聞いてるのですかシステム! いやマザー!!」


 そう叫ぶオウラさんだけど、システムが応答することはない――とか思ってると、なんか選択肢が出てきた。


『全てのアイテムを生け贄に、エクストラボスとの戦闘に挑みますか?』


 と言う文章だ。そして『はい』と『いいえ』の選択肢。まさかシステムが反応するなんて私もテッケンさんも予想外だった。

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