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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1774 前に進む為のXの問い編 147

「まず聞きたいのですが、希少度というのは再分配されるのでしょうか?」


 なんか宝箱に向かって話しかけてる光景がシュールだとは思うけどこれは私のためにオウラさんがやってくれてることです。変な風に思ってはいけません。てかこう言うシステムってあんまりこっちの声に応えたりしてくれない様な? 今更ですけど。確かにLROはとてもゲームとは思えないような作りをしてることは確かです。

 なにげに過ごしてるだけだと本当にこんな世界の中に来てるんだと思ってしまう。それだけの完成度があります。だからこそ、沢山の人がこの世界から離れられなくなる。いくらリアルでつらいことがあっても、こっちに楽しいことがあるから頑張れるって人は多いです。この世界がちゃんと心の支えになってるって事です。

 そこまで感じさせるLROは本当に凄い。でもこういうシステム的なテキストは淡泊というか……私たち普通のプレイヤーには「ああ、ゲームだな」って思える部分です。でもこう言うのもきっとスオウ君とかが関わったらもっと変わるんだろうなって思うところではあります。何せスオウ君はLROのシステムと深く関わっていますからね。本人は嫌がりますけど、それを否定することは出来ないと思います。

 だから彼がいれば……とも思うけど、どうでしょうか? だって……


「はて、どうしました? 聞えてないのですか? もしもーし。しょうがないですね……」


 純粋に何度も呼びかけてたオウラさん。うん、やっぱり反応はしないらしい……と私やテッケンさんは思ったんだけど、どうやらゲームに不慣れなオウラさんはそうは思わなかったらしい。彼女は何を思ったのか、両手で宝箱を掴んだ。それでどうするのかな? ひっくり返したり? とか思ってたら、なんかミシミシと聞え出す。


「ちょっ!? オウラさん何をやってるんですか?」

「いえ、口を割らない相手にはこうやってですね、力を使うのが効果的なんですよ」


 物理! いえ、それは人間相手にですよね。それにその宝箱がミシミシと言うほどの力を普段は人間相手に? いや、これはゲーム……ゲームだから素手で箱を壊すことも可能……


(いえ、オウラさんならリアルでも同じ事出来そうですね)


 リアルのオウラさんの姿を想像して私はそう思います。なにせそこら辺の男性よりも大きくて強そうですから。


「システムにそんなことをしても効果があるとは……」


 テッケンさんもそんなことを言ってます。まあ普通はそう思いますよね。別にあの宝箱自体に貴重性なんてないし、壊れたらまた同じ奴を置けばいいだけです。イヤ最悪消せばいい。だって困るのは今ここに居る私たちだけです。そして損するのも私たちだけ……と言うことを思って私とテッケンさんを二人して顔を見合わせた。


「ま、まってオウラさん!」

「ま、まってくださいオウラさん!」


 二人してそんなことを口に出したけどその瞬間だった。バキベキ――と言う音と共に綺麗な宝箱が崩壊しました。ああ、遅かったようです。

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