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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1773/2701

1773 前に進む為のXの問い編 146

「えっと……これはどういうことでしょう?」


 私は目の前で起ったことを飲み込むためにそう口にしました。だって今までダンジョンボスを倒して得たアイテムを宝箱へ戻したら、こんな文言が出るなんて攻略情報……なかった。それもそのはずで、ダンジョンの最下層のボスなんてのは倒すのはとても大変で、実際気心が知れた人達だけで倒すならまだしも、そうじゃない場合が殆どです。そうなってくると、まずやることは報酬の配分です。なにせリアルとは違うからですね。


 リアルなら宝箱に入ってる褒賞を一端出してそれぞれに配分するって事が出来る。でもここははそうじゃありません。手に入れられるアイテムはランダムです。私たちの様に三人で倒せば、三人ともそれぞれ貴重なアイテムが手に入るでしょう。その場合は問題ないし、私たちは知り合いだから、手に入った物を開示して必要じゃないのはトレード出来ます。勿論沢山で倒したときもトレードはありますけど、全てのアイテムを開示することはないです。

 それにこれだけ苦労して倒すわけだから、全く使えないアイテムが出る……って事も無いです。だから外れだとは思っても、それを置いていく……って言う発想には絶対になりません。ましてや宝箱に戻そうなんて……でもオウラさんはゲームに疎いから、ゲーマーならしないことを普通にやってのけた。いやゲーマーじゃなくても、普通の人でも苦労して手に入れた物は普通は手放そうとは思わないでしょう。もしも自分に必要じゃなくても、これだけ苦労したんだから、売ったらそこそこのお金になるかも――とかは考えるはずです。

 そう考えると、オウラさんの行動は普通からもゲーマーからも逸脱してますね。流石です。多分オウラさんは自分に必要かどうかでしか考えてないみたいです。それで必要ないと結論が出たら、きっと金塊でもこの人は躊躇無く手放すんでしょうね。恐れ入ります。


「こんな話、聞いたことないぞ……」

「何か別の物を要求して良いんじゃないですか?」


 驚愕してる私とテッケンさんと違ってオウラさんは至って冷静だ。見えてる宝箱の上の文字をなぞって私たちにそう言って来ます。でもこれはそういう事ですよね。


「これって全部返せば、それこそ望みの物が手に入るのでしょうか?」


 今は宝箱にはオウラさんが得たアイテム分しか返してない。私が欲しいのはピクである。ピクって多分めっちゃ貴重です。一人分のアイテムを返しただけで得られるはずはない……と私は勝手に思ってる。だからそれなら私が得たアイテムだってぶっこむつもりですよ。

 けどそれにオウラさんが待ったをかける。


「どうでしょうか? 量に応じてるのかは分かりませんし、そもそもがこの宝箱がシルクさんの求める物を吐き出せるかも謎ですよ?」

「それは……そうですけど……」


 確かにそうです。今までピクを求めてこのLROの世界を旅してきました。でも出会えたとこはない。そもそもがイベントで得たアイテムだったし、通常ではないのかも知れない……でもそれでも諦めないで来ました。だから期待しちゃいます。


「ここは質問をしてみましょう」

「はい?」

「まずは情報収集ですよ。これは基本です」

「はい……」


 真剣なオウラさんに私たちは頷くしか出来ない。

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