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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1772 前に進む為のXの問い編 145

「うおおおおおおおおおおおおおおお!」

「はああああ!!」


 気合い一閃、テッケンさんとオウラさんのスキルが発動します。テッケンさんはその拳にまとった小手で相手を殴り飛ばして、オウラさんは一応装備してるその三股の槍で相手を貫いた。それによってこのダンジョンのボスは沈んでいきます。このダンジョンのボスは人型の悪魔の様な奴が二体でした。

 それに倒すときにも条件があって、二体同時に倒さないとどっちかを先に倒すと瞬時に倒した方はHPを回復して復活するという糞仕様でした。これには流石に手こずりました。なにせ私たちは急増のパーティーです。テッケンさんとは普段一緒に行動してるから息が合ってるけど、オウラさんは時々一緒に冒険するくらいです。だからタイミングを合わせるとか、簡単にできることじゃないのです。


 それにダンジョンの最下層のボスと言ったら、ダンジョンにもよりますけど、少ない人数で挑むような敵じゃない事だってある。今回の二体の悪魔……それも十分こんな少人数で挑む相手じゃなかった可能性は高いです。まあどんな強い相手にも、何回か挑めば自ずと戦い方……と言うのは分かる物です。実際私たちは一回でここのダンジョンのボスを倒したわけじゃないです。5回くらい挑みました。

 でもダンジョンの最下層のボスに5回挑んで勝てるッてのはある意味偉業です。大体二人では諦めてましたし。二人で駄目なら、その時にプレイヤーを何人か募集して挑むって事をやってました。今回もそうしようかな? って思ってましたけど、戦って負ける度にオウラさんが的確に敵の行動を分析して行くのです。

 そして作戦まで立てて、それで上手く私たちの事も使ってくれてそうしたら……なんかいけちゃいましたね。やっぱり本物は違います。リアルで戦ってきた人は死線の潜り具合が違うんでしょう。なにせリアルでは一回死んだら終わりですし……復活なんて出来ないです。

 だからやっぱりこういうゲームでの戦闘を終えてオウラさんはこう言ってました。


「温いですね。もう少しデスペナルティーがあってもいいのでは?」


 ――とね。でもオウラさんの基準でゲームを作っちゃうと、多分めっちゃハードモードです。大体の人は途中で心が折れるんじゃないでしょうか? いや、その時はオウラさんなら物量で押せば良い……という考えなのかな。私とテッケンさんはとりあえず笑ってごまかしてた。


「今回もお目当ての物ではなかったですか?」


 ボスを倒した私たちの前には、金色に輝く宝箱が出現してる。そこからはかなりのお宝が出たと言っても良いでしょう。かなり強力な武器に装備……それに貴重なアイテム類。スキルの熟練値を5上げる効果のある物とか……熟練値ボーナスの腕輪とか……これらはオークションに流したら途方もない値が付きそう……なにせ皆さんLROではスキルを得るために、スキルの熟練度を必死に上げてますからね。

 スキルの熟練度が一定に達したら、自身のスキルとなって、その装備や武器を外してもスキルは自身に残る。そうやってスキルを増やしていって、膨大なスキルの中から自分自身にあったプレイをしていくのがLROですからね。


「ここも外れでしたね」

「出たアイテムはとても貴重な物ですけどね」

「でも、貴方たちが求める物では無かったのでしょう?」

「そうですね」


 私が求めてるのはピナだ。確かに貴重なアイテムや装備、武器は嬉しいけど、これじゃないのも確か。そう思ってると、オウラさんがとんでもないことを言ってきた。


「どうしますか? 必要ないのなら、戻しますか?」

「戻す? ですか?」

「いやいや、こんな貴重な物、戻すなんて……」


 私とテッケンさんはそう言います。だって得た戦利品ですよ? 確かに宝箱はまだそこにあって、大きな口を広げてますけど……とか思ってる側からオウラさんは得たアイテムを宝箱に流し込んでる。ええーでも仕方ないですね。だってオウラさんはゲームとかあんまりしたことないみたいですし……とか想ってると、なんかアイテムを戻したら、変なメッセージが私たちの前に現れた。


『アイテムの返還を確認しました。これでは満足しないと、何をお望みですか?』


 それはこれまで見たことも聞いたこともない事象です。てか普通、宝箱に戻すなんてする人居ないですからね。

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