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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1767 前に進む為のXの問い編 140

「えっほえっほ」


 そんな事を言いながら、アーシアが僕のエリアに種を植えて行ってる。今日の収穫は十個くらいだ。どういう理屈かは分からないが、時々種にならない時もあるんだよね。もしかしたら、栄養が足りない……とかあるのかもしれない。まあ栄養というのは敵の命であるHPの事だけどね。

 実際僕のエリアにこんな……ね。なんか不気味な種を植えられるのもどうなの? とは思う。でも他にないし……僕が一応のアーシアの保護者だからね。仕方ない。


「やっぱり前に植えたのも芽は出てないな」


 僕のエリアは何もない。初期の状態のままで、小さ小屋に小川に木が一つ……というものだ。誰もが最初はここからスタートして、徐々にエリアを広くしていく。エリアバトルでポイントをためたら、それこそ家とか建てられてるし、家具だって自由自在だ。まあ本当に自由度を求めてる人達はそれこそ素材をエリアに用意して、一から手作り……何てことをしてる人達もいるらしい。


 運営が用意してる物はあくまでもテンプレートだからね。そこからどれだけ個性を出すかは個人の裁量なのだ。まあ僕のエリアには個性の欠片もないが……


「やっぱり何も聞こえないのが駄目なのかな?」

「聞こえないって何が?」


 僕のエリアにホラー要素を持ち込まないで欲しいな。確かにここには何もない。でもその何もなさを僕はそこそこ気に入ってる。このこじんまりとした空間、ある意味落ち着くんだよね。確かにここには何もないが、一応小屋はリラックスできるようにリラックス空間にはしてある。くつろげる椅子を置いて、飲み物は常備してるし、適当にLROで買った本とか、いや、実際は漫画と抱えるんだよね。

 しかもフルダイブ空間なら、電子書籍端末みたいな味気ない一枚の板じゃなく、ちゃんと買った電子書籍を本の装丁のまま出現させることが出来る。勿論、リアルに関係したそれらはLROの方へは持ち出せない。なにせ文化とかメッチャ違うし、そういう文化破壊しそうな物は駄目なのだ。

 でもエリアとは基本LROとは切り離されてる。だからきっとこう言う事も出来るようになってるんだと思う。なにせLROって買い切り型のゲームだしね。運営も色々と立場的に弱いから、収入源を確保したいという思惑もあるのかもしれない。ゲームバランスを崩すような掛け金を導入するわけにもいかないしね。

 

 だからこう言う独立したエリアつくって、そこで色々と売買出来るようになってたりも最近はするんだ。それこそ本もそうだし、服とかもそうだ。実は試着して買えたりする。リアルにも後日届く――みたいなシステムだ。まあ勿論この仮想空間のデータだけ買うか、リアルの物として買うかは選べる。

 そしてデータとして買うだけの方が安くなってる。ブランド物とかね。データだけなら、LROで稼いだ金で買える。だから買いやすい。リアルの方は勿論ちゃんとしたリアルマネーが必要だ。でもLROなら本当に着れるからね。どうやら気に入ったらそのままリアルの方も買うっていうのは案外多いらしい。

 僕は買ったこととかないけどね。大体漫画ばっかりだ。漫画や小説的や雑誌とか元からそんな高くないのは、リアルマネーでしか買えない。流石にLROの金をどういう風な交換比率ならリアルマネーとトレードできるかってきっと色々と問題があるんだろう。

 それが出来たら実際嬉しくはある。まあでも僕は高い買い物とかしないから別に不満はないけどね。


「世界だといろんな声が聞こえるよ。土さんの声とか、風さんの声とか」


 そんな事をいうアーシア。まあアーシアは自然から発生した何かよく分からない存在だし、そういう事もあり得るだろう。そもそもエリアとLROは基本切り離されてるからね……その影響かもしれない。


「よくわかんないけど、これでどうだ?」


 僕はどさっと袋に入った土を取り出した。なんか土が悪いようにいうから、とりあえずエリアの機能で土を買ってみた。土にも沢山種類が用意されてる。とりあえず栄養満点! とかうたい文句がある奴をチョイスした。実際に栄養がある訳じゃないだろうけどね。

 ただ初期の土よりも良い奴なのは確かだろう。


「ううーん」


 僕が出した土を見てそんな風にうなってるアーシア。まあとりあえずこれを使ってみよう。駄目ならまたそのときだ。土なんて別にいくらでも取り出せるからね。

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