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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1765/2706

1765 前に進む為のXの問い編 138

「やったー!」


 そう言って喜ぶアーシアはヤドリカと共にくるくると回ってる。消えていくモンスターの体には大きな花が花開いてる。アンデッドから一体何を吸ったらあんな風に花が咲くのだろうか? そして消えていくモンスターの中、一つだけ種が残る。これもアーシアの特長だ。

 アーシアはパチンコで自身で生み出した種を撃ちだす。それ自体が攻撃……みたいに思われるかも知れないが、実際はそうじゃない。いや、HPに1くらいはダメージが入ってるかも知れないけど、そんなのカウントしてもね……ノーカンでしょ。そもそもがそのダメージは期待してないからね。アーシアのパチンコ攻撃の怖いところは直接的なダメージではない。種があたったら、色々な効果があるのだ。まずは当たった瞬間に種は弾ける。


 そのときに何やら胞子みたいなのをまき散らす。それを吸うとなぜかステータス全般が下がる。かなりのデバフ効果があるんだ。さらには胞子をばらまいた種の残りも厄介だ。それで終わりじゃない。種からはツタが出てきてそれがとりつく。最初は胞子に気を取られて気づかないだろう。

 大体のモンスターは気づかない。胞子が出た瞬間にそっちをヤバいと思って、種自体は意識から消え去るようだ。けど、えげつないのは種の方だ。種は体のどこかに付いてさえ居ればいい。まずは胞子で意識から種の存在を消して、種は敵の体のどこかにとりつく。

 そして少しずつ敵のHPを糧に成長していく。そして気づいたときにはもう遅い。なにせ体に同化してしまうからだ。腕とかなら、まだ腕を切り離せばどうにかなるかも知れない。それが出来る奴がどれだけいるかって気もするけどね。だからこそ気づいたときにはもう遅い。

 成長してきた植物は体の動きを阻み、体から生気を奪って成長していって、後はもう何もしなくてもアーシアは勝つ。アーシア自体の戦闘能力は低いから、合理的な戦い方だと思う。まあけど種がバレると絶対に当たらないような気がする。なにせアーシアのパチンコ精度なかなかにポンコツだし。種が胞子を撒く範囲も決して広くはない。

 だからこそ、今は接近戦をヤドリカにさせて意識をヤドリカに向けてる間に、何発も打ち込んでようやく一個当たったらよくやった……状態だ。まあけどそんなに戦闘こなす必要も無いと思ってるし、これでいいかなってね。

 ただ気分転換の戦闘ならこんな物で良いだろう。


「今回の種はどんなのだ?」

「うーん、アンデッドだったからね。なんだかぐしゅぐしゅしてる!」


 ぐしゅぐしゅ……ね。普通の種に見えるけど……どうやらアーシアには戦闘の後に残る種がどう言ったものかなんとなく分かるらしい。敵から生気を吸い取って花開く花。そしてそれが産み落とすのがこの種だ。どうやらその種類は多岐にわたって、栄養分としたモンスターに影響を受けるって事は分かってる。でもこれがなんなのかはよく分からない。


「そんな変な物ここに植えないで」


 とかメカブの奴が文句を言ったから、しょうがないからこの種は僕のエリアで植えている。どうせ何もないしね。何かあったとしてもいっか――という精神だ。でも不思議な事にこの戦闘で得た種は植えてもなかなか芽が出ない。普通の種なら、アーシアが植えた次の日には花が咲いてる。けどこの種達はそうじゃない。もしかしたら使い方が間違ってるのかも知れない。でも……ね。そればっかりはコード見てもわかんないだよね。

 どうしようもないから、アーシアのやりたいようにやらせてるんだ。

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