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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1754/2706

1754 前に進む為のXの問い編 127

「うっひょおおおおおおおお!! 最高だぜえええええええええええええええ!!」

「あっ」


 僕はすぐさま雷帝武装を発動して一瞬にしてヴァレル・ワンに併走して障害物を切り裂いた。その後も前方にある邪魔な物はことごとく切り裂いてく。だって……そうしないとせっかく様々な奪取したパーツで組み上がったヴァレル・ワンが木っ端微塵になってしまう。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!! なんか突破力まで上がってるみたいだぜええええええ!!」

「アホ! 操縦する気が無いのならさっさと止まれ! 流石に壁とかがそびえ立ったらどうにも出来ないんだからな!!」

「スオウ……全くお前は……」


 なんかさっきまで叫びまくってたのに、ヴァレル・ワンに乗ってたそいつはいきなりスン……とテンションが下がったように真顔になった。そしてふかしてたブースターを止めて、徐々にスピードを落としてく。簡単にヴァレル・ワンに併走しちゃったからかな? ここはレスティア周辺……ではなくて、人の国にからそれなりに進んだ大湿原地帯だ。草原とかの方が良いかな? っておもったが、この湿原はかなり広いからこっちでいいかって。草原は確かに見渡しは良いけど、案外起伏ってあるんだよね。

 それに比べれば、湿原は基本平坦だ。それにほぼ手つかずだから、人が通るための道が整備されてるわけじゃない。ちゃんとここを進む為には人も湿原に足を踏み入れて、足首よりも上くらいまでぬれるしかない。それがどうして良いのかというと、やっぱり人が通る為に道なんか敷いたら、それが邪魔になるからね。まあここに道なんて引いても、絶対にでっかいカエルやナメクジとかにぶっ壊されると思うけど。

 リアルの湿地帯とかでは観光するために木の道とかがあしらえてたりするじゃん。あれがあったら邪魔だったのだ。けどここにはそんな物はない。まあだから丁度良いかなって……ね。って事でここまで来て、ヴァレル・ワンをかっ飛ばしてるわけだ。障害物なんてのはここではカエルかナメクジか、時々ある岩くらいだ。苔むした岩が時々ある。時々だから、ちゃんと操縦できたら躱すこと何て簡単だ。でも……こいつ全く躱そうとしないから、僕が雷帝武装までして出ることになった。


 なにせヴァレル・ワンはしっかりと壊れるからね。大破したら勿論もう一度動かすには修理するしかない。パーツがあれば、それを選択して一瞬で直す……何てことが出来る。でも一応このヴァレル・ワンは改造ヴァレル・ワンだ。それはパーツを付け替えてる……とかじゃなく、色々とパーツの内部、機体の内部を弄ってる……と言うことでの改造ヴァレル・ワンだ。

 ただパーツを組み込むのは簡単だ。そういうシステムをちゃんとテア・レス・テレスは組んでた。多分会長が運営側と組んで作り上げたんだろう。

 初心者も玄人も楽しめるようにって事だと思う。初心者でも自分で簡単に、パーツさえあればヴァレル・ワンをくみ上げられるようになってるし、玄人のためにそれこそくみ上げたヴァレル・ワンを細かく物理的にいじれるようになってるんだ。それこそアクセルの感触の微調整とか、ブースターの僅かな挙動、ハンドルの感触にブレーキの効き始め……とかそうやって自分好みにできるようになってる。

 たぶんリアルでの車を細かくいじれる感じに近いんじゃないだろうか? 僕は車なんていじったことないからわかんないけど……まあつまりはそれだけ細かくいじれるからこそ、下手にいじりまくったヴァレル・ワンをぶっ壊すと相当元の奴に戻すのは大変って事だ。

 実際完璧に戻せるのかわかんないし……なにせ同じパーツでもちょっとなんか違うって事があり得てるからね。同じパーツの筈なのにエネルギー効率が僅かに違うとか……どうやってそれがなってるのか不思議だ。


 だってリアルなら分かる。手作りしてる部品とかがなにかそういう影響を与えてる……とかあり得るかもしれないじゃん。でもさ、ここはLROだ。パーツ自体はシステムで生み出されてるはず。それなら全てが同じ物の筈ではないのだろうか? でも現にたくさんのプレイヤーによって微妙な差は確かにある――と結論続けられてる。

 ある意味でパーツのハクスラみたいになってるからな。おかげでどんな屑なパーツでも積極的に売買されてるのはテア・レス・テレスの思惑通りなのかもしれない。なにせそいつにとっては使い道なくても、その微妙な違いが別のヴァレル・ワンにはまさに神パーツって事がありえるからね。

 ゴミパーツをあつめてジャンクと称して売ってる奴等、レスティアにはいっぱい居るからね。そしてそれを真剣な目で見定めてる奴等も毎日居る。ジャンクは入れ替わりが激しいから、それなりのチームは毎日人を派遣してチェックしてるとかなんとか。


 まあそれだけヴァレル・ワンは盛り上がってると言うことだ。そして僕たちのヴァレル・ワンも壊したら戻すのは大変なんだから、ちゃんと運転して欲しい。


「実際こいつ、まっすぐに進めるのも難しいぞ」


 ブースターをつけたせいで油断したら機体が浮いて吹っ飛んじゃうからね。普通は運転無理だろう。


「でもリアルでは絶対に出せないスピードだからな。テンション上がるんだよ。それに下手に動かすとそれだけで機体のバランスが崩れそうだったんだよ」

「ふーん? まあ交代」

「お前……」


 僕がそう言うとじとっとした目で見られた。とりあえず今度は僕が乗ってみるよ。

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