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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1753/2701

1753 前に進む為のXの問い編 126

「本当にこれって、奪ってきたんですか?」


 その質問にどう返すか……そしてどう乗り越えるのかまで会長に示されては居ない。いや、そもそも会長自体は、それを匂わせるって事を目的にしてるんだよね。だって……


「何言ってるんだ? 奪ってきてないって言うのなら一体どうやって? お金? って、スオウってお金そんなに持ってなさそうだし」

「どうせ良い事やったんだろう。お前はそういうところがある。悪党の自覚あるか? もっとしっかりしないと駄目だぞ。まあ義賊なんてのも憧れるが、やっぱりせっかく何やっても良いんだし、ここはとことこだな」

「あんただってそんなこと言ってるくせに、そこらの通行人脅したりはしないくせに」

「ぶぁかもの! そんなことやったって稼ぎ少ないだろうが! 俺はな! 金の風呂に入るのが夢なんだよ!」


 ――こんな奴等である。微笑ましい。まあだからあいつ以外には問題ないんだよね。疑うって事を知らないわけじゃないみたいだが、緩いんだよねこの悪の組織。絶対に大成できないと思う。まあ自分が満足いく範囲で細々とした悪事を働くくらいなら可愛い物だからね。

 一応大きな目的……てきな物はあるみたい。それを出汁にもっと深い、悪の組織に目をつけられてるみたいだけど……だからこそ、彼女「パメリア」がいる。彼女が深い組織でどのくらいの位置にいるかはわかんないが、ここの奴等よりはよっぽど狡猾で残忍な奴というのはわかる。


「これを売れば今ならそのくらい出来ちゃうな~」

「なん……だと……ゴクリ」

「まあ大会で勝てなくなっても良いのなら……だけど」

「それは……困る」


 パメリアの言葉でここの一応リーダーなおっさんがうなだれた。


「でも、ちゃんとした物なのかしらね。出所だって言えないんでしょ? ならこれ自体が偽物って事も」

「なんだと! 本当かスオウ?」


 そう言って皆が僕を睨んでくる。僕はとりあえず肩をちょっと上げてわかんないポーズを取る。そしてこういった。


「いや、そこまではしらないし。ただ僕はパーツを奪っただけだしな」

「まあ、品質には差があったりするからな。すまんすまん」


 こいつ絶対に悪党には向いてないよ。悪党のリーダーがすぐに謝ったりしないだろう。もっと理不尽じゃない? 実際、本物の悪党は笑顔を貼り付けてくる――とか言うけど、そういう悪党って不気味そうじゃん。このおっさんにはないんだよね。そういうの。普通にからっとした笑い声を出す。


「そうだな、一回ヴァレル・ワンに組み込んでみるか。それで走らせないとな。これが良い品質なら本当に一着狙えるぞ。まあ万が一の時のために、ライバルになりそうな奴を事前に襲撃とかしてみるか?」

「おおーそれは悪っぽいぜ大将」

「うんうん」

「私も、暴れたり無い。武器が血をほしがってる」


 皆ノリノリだな。一人だけ、パメリアだけなんか渋い顔してるが……話を振られるとすぐにいつもの愛想のいい顔を作る。多分気楽なここの連中の事、絶対にパメリアは嫌ってると思う。もっと気楽に付き合えば良い奴等なのに。悪としてこんな中途半端な悪党は許せないのかもしれない。

 まあどうでも良いが……とりあえずパメリアからの追求はうやむやになって良かった。

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